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 米Tesla(テスラ)が電気自動車(EV)をリコールする。対象は、高級セダン「Model S(モデルS)」の12~18年モデルと、高級SUV(多目的スポーツ車)「Model X(モデルX)」の16~18年モデルの計13万5000台弱。半導体部品の寿命が原因で、ADAS(先進運転支援システム)のほか、バックモニター用カメラやフロントガラスの曇り止め・霜取り機能などの不具合につながるとして、21年1月中旬に米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA)がテスラにリコールを実施するよう求めていた。OTA(Over the Air)による遠隔からのソフトアップデートで対応できず、21年3月末からハードウエアの交換を始める予定である。

 NHTSA側が問題の原因として指摘していたのは、モデルSおよびモデルXの車載情報通信システム(IVI)に相当する「MCU(Media Control Unit)」内にあるeMMC対応のNANDフラッシュメモリーである。「P/Eサイクル(書き換え回数)」が3000回で、データの書き換えを繰り返すうちに、5~6年ほどで寿命(書き換えサイクルの上限)を迎えて、MCUの不具合につながると指摘していた。

 MCUに不具合が生じると、運転席横にある大型のタッチパネル式ディスプレーがうまく動作しなくなる。さまざまな操作や情報の確認をこのディスプレーを通して行うだけに、安全性に支障が生じる。例えば、後方確認用(リアビュー)カメラの映像を運転手が確認できなくなる恐れがある。空調も操作できなくなる。これにより、フロントガラスの曇り止め・霜取り機能を起動できずに前方の見通しが悪くなり、事故の危険性が高まると指摘していた。

 なお、当初NHTSA側が要請していたリコール対象のEVの台数は約15万8000台だった。それに比べて今回のリコール数が少ないのは、既に何らかの対策がなされた車両があるためだとみられる。