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 ホンダは2021年2月19日、社長交代に関する会見を開いた。同日の取締役会で新社長に内定した三部敏宏氏(ホンダ専務兼本田技術研究所社長)は会見で、100年に1度といわれる激動の時代に同社が成長を続けるには、「会社全体で大きな転換とスピードが求められる。そのためには、自社の取り組みだけでは限界がある。必要であれば外部の知見を活用し、アライアンスの検討などを含めて躊躇(ちゅうちょ)なく決断・実行する」と述べた(図1)。

三部敏宏氏
図1 新社長に就任する三部敏宏氏 、「アライアンスを重視していく」
(撮影:日経Automotive)
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 三部氏は、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」や「MaaS(Mobility as a Service)」が引き起こす激動の時代に対応する事業展開の基本的な考え方として、これまでの「自前主義」からアライアンス重視に転換する決意を示した。新体制の下で今後、米ゼネラル・モーターズ(GM)などとの連携の強化や、他社との新たな提携が加速しそうだ。

 新社長として重点的に取り組むテーマとしては、(1)2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)と(2)2050年の交通事故死亡者ゼロに向けた取り組みを挙げた。

 このうち炭素中立に関する電動化については、「単に電気自動車(EV)を作ればよいというわけではない。充電設備などのインフラの進展状況を見ながら、EVを事業として成り立つようにする」と強調した。

 また、「炭素中立に向けてエンジン車は不要になるのではないか」という点については、「電動化を否定しているわけではないが、今後もエンジン車はなくならないだろう。カーボンニュートラル燃料やバイオ燃料などの選択肢もある」と述べ、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から炭素中立を考えるべきとの見方を示した。

 三部氏は21年初めに、社長の八郷隆弘氏からバトンタッチの打診を受けた。そのときを振り返り、「それまでも一緒に仕事する時間はあったので、いよいよ来たなと。打診を受けたその場で受諾した。安定した時代よりも、今のような激動の時代に社長に就任できることにワクワクしている。性格を自己分析すれば、プレッシャーには強い方だと思う」とした。