サンケン電気は2021年3月3日、代表取締役社長の和田節氏が退任すると発表した。同日の取締役会で内定した。退任後、取締役会長に就任する。取締役上級執行役員の高橋広氏が後任となり、車載・産業用のパワーモジュール事業を強化する。同年6月下旬に開催予定の定時株主総会後に、正式決定する。

会見に臨む和田氏と高橋氏
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会見に臨む和田氏と高橋氏
左:現代表取締役社長の和田節氏、右:後任の高橋広氏(写真:日経クロステック)

 和田氏は15年に社長に就任した。「この6年間は開発改革、働き方改革、ガバナンスを変える意識で取り組んだ」(和田氏)と振り返る。18年4月から21年3月にかけての中期経営計画において、売り上げに占める新製品の割合を15%に向上させるという目標を掲げた。20年度で10%、最近では15%になったとし、「一定の道筋はつけられた」(同氏)。さらに、カーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーション(DX)といった新潮流を踏まえた新たな中期経営計画が21年4月から始まることを受け、「バトンを渡す最適なタイミングだと思った」(同氏)と退任理由を語った。

 新社長の高橋氏は技術開発部門出身で、デバイス事業本部 生産本部長などを歴任した。主力製品のIPM(Intelligent Power Module)のプロジェクトリーダーも務めた。近年は工場の統廃合推進に注力している。モジュールとデバイス、センサーを3本柱とする同社において、「今後はIPMをはじめとしたモジュールに力を入れていく。白物家電中心から脱却し、車載用や産業機器用にも注力していきたい」(高橋氏)と抱負を語った。さらに、「現在、子会社の米Allegro MicroSystems(アレグロ・マイクロシステムズ)の企業価値が当社を上回るいびつな構造になっている」(同氏)とし、改革を早期に実施して利益体質の改善も図るという。

 同社は伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)とパワーモジュール分野での協業を20年に発表している。車載用や産業機器用の半導体モジュールの開発にあたり、STマイクロの技術も活用するとみられる。