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 米Qualcomm(クアルコム)は2021年3月1日、コロナ後の世界の経済回復と成長に向けた5Gの役割を解説する記事を自身のブログに掲載した。

 1980年代初頭以来、移動通信業界は1G、2Gと約10年ごとに新しい移動通信技術を導入し、着実に人々や企業の通信と接続性を改善してきた。その技術は生活に大きな影響を与え、経済成長を加速し、以前の技術では成し得なかったビジネスチャンスを広げてきた。

 最新の5Gには、さらなる接続性と今まで見たこともない方法で経済に影響を与える潜在力がある。5Gは新型コロナウイルス感染症後の世界において、さまざまな分野の成長を後押しし、米国や欧州をはじめ世界の経済回復に大きな役割を果たす。

 QualcommがアイルランドAccentureの協力を得て行った最新経済調査では、米国において、5Gにより、2021年から2025年の間にGDPが最大1.5兆米ドル増加し、最大1600万件の雇用を生み出す。こうしたGDP成長率と労働市場への影響は全米規模、全産業に及ぶ。

米国各州での5Gによる経済効果と雇用拡大
米国各州での5Gによる経済効果と雇用拡大
出所:Qualcomm
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 同様の現象は欧州でも起こる。欧州において5Gは、最大2000万の雇用と、2021年から2025年のGDPを最大1兆ユーロ(1.2兆米ドル)増加させる経済効果をもたらす。

EUおよび英国での5Gによる経済効果と雇用拡大
EUおよび英国での5Gによる経済効果と雇用拡大
出所:Qualcomm
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 新型コロナウイルス感染症拡大といった不確実な時期には、接続性が不可欠となる。米国や欧州で今後大きく成長する分野としては、医療、自動車、輸送、情報通信、製造業などがあるが、従来のネットワークより高い可用性と信頼性、安全性を持つ5G技術は、一般顧客のみならず、こうした産業界からも注目を集めている

米国における産業別の5G経済効果
米国における産業別の5G経済効果
出所:Qualcomm
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 経済成長や経済回復をけん引する一方で、課題もある。新しいビジネスモデルが出現し、デジタル変革により産業が進化していくなかで、政策や規制にも、さらに複雑なレベルのものが求められるようになる。

 5Gのメリットを迅速に実現するために政策立案者が考慮すべき案件として、次のようなものがある。

  • 知的財産権と新技術の保護に向けた法律の強化と政策の整備
  • 信頼性の高い半導体、革新的な無線機器、ネットワーク装置開発を支援する政策の整備
  • 高精度の通信を必要とする製造業や医療、自動車その他用途に向けた、信頼性の高い5G製品やサービスを提供する、強固な世界規模のサプライチェーンの整備
  • ブロードバンドの整備が遅れている地域への投資や、簡素化された低コストなRANサービス提供を可能にするRAN機能標準化、相互運用に向けたOpenRANなどのネットワーク開発支援
  • 5G開発とそれを使った産業支援に向けた国家戦略の策定
  • 5G技術の利点や可能性を実証するための試験プロジェクトや大規模実験を支援するための助成金や税制上の優遇措置の整備
  • 重要な中周波数帯の開放と優先割当の実施、ミリ波周波数帯ネットワークの開発、展開推進
  • 医療機器や医療用途に向けた認証プロセスなど、特定の業界向け政策の合理化