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 三菱電機は、同社従来品に比べて検知範囲を2〜4倍に広げた赤外線センサーモジュールを開発した(ニュースリリース)。同社の赤外線センサーファミリー「MelDIR(メルダー)」に含まれる製品で、防犯機器や空調機器、エレベーターの人数カウンター機能、スマートビルなどでの応用を見込む。

検知範囲を2~4倍に広げた赤外線センサーモジュール
検知範囲を2~4倍に広げた赤外線センサーモジュール
(出所:三菱電機)
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新製品の検知範囲
新製品の検知範囲
左図は、新製品を天井中央に真下に向けて取り付けた場合。検知範囲は、同社従来品に比べて約2倍に広げられる。右図は、新製品を天井の端部に横向きで取り付けた場合。検知範囲は、同社従来品の約4倍に拡大できる。(出所:三菱電機)
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 同社従来品に比べて検知範囲を2〜4倍に広げられた理由は2つある。1つは、画素数を増やしたことである。新製品の画素数は80×60。同社従来品は80×32だった。もう1つは、検知時の画角を広げたことである。新製品では、同社従来品の78度×29度(標準値)から78度×53度(標準値)に広げた。検知範囲を広げたものの、温度分解能は同社従来品と同じ100mKを確保した。このため、「より広い範囲での熱源(人や物)の識別や、行動把握の検知を高い精度で実行することが可能になった」(同社)としている。このほか、高画素化と広画角化に合わせて、サーマルダイオードで撮影したデータの信号処理方法を改善した。

新製品の応用例
新製品の応用例
左図は、新製品を天井に真下に向けて設置し、部屋にいる人を監視する使い方である。新製品を使えば、検知範囲を広げられるため、床に倒れた人を発見しやすくなる。右図は、新製品を廊下の天井の端に横向きに取り付けて、往来する人を検知する使い方である。新製品を使えば、より多くの人を検知できるようになる。(出所:三菱電機)
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 さらに新製品では、フレーム速度を同社従来品の4フレーム/秒から8フレーム/秒に高めた。熱源の動きをより正確に把握できるようになる。例えば、36km/時で動く物体が検知範囲の中を10m移動する場合、4フレーム/秒では4枚の熱画像しか撮影できなかった。しかし、新製品では8フレーム/秒に高めたため、8枚の熱画像を撮影できる。「この分だけ、より詳細な行動把握が可能になる」(同社)としている。フレーム速度の高速化は、赤外線センサーチップを覆うレンズの性能改善で実現した。具体的には、レンズの周辺部の赤外線に対する感度を高めた。こうすることで、熱源が発する赤外線を短時間で検知できるようになり、フレーム速度を高めることが可能になった。

 新製品は、温度計測に向けたダイオード「サーマルダイオード」を1枚のSiチップに複数個集積した赤外線センサーチップや、信号処理用ASIC、サーミスター、コネクターなどを基板に実装し、それらをレンズキャップと呼ぶ箱状部材で覆ったモジュールである。型名は「MIR8060B1」。具体的な特性は下表の通りである。販売は2021年7月1日に始める予定。サンプル価格は9600円(税別)である。このほか、評価キットや、ハードウエア設計に向けたリファレンスデザイン、ソフトウエア設計に向けたリファレンスコードを提供する。

新製品(左)と従来品(右)の主な仕様
新製品(左)と従来品(右)の主な仕様
(出所:三菱電機)
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