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 伊仏合弁STMicroelectronicsは、車載機器向けD級(クラスD)オーディオアンプICの新製品を発売した(ニュースリリース)。全高調波歪み率(THD)は、1kHzにおいて0.02%、20Hz~20kHzにおいて0.08%と低い(どちらも1W出力、4Ωもしくは2Ω負荷接続時)。また、オーディオ出力ノイズは13μV(A加重、20kHz時)と小さい。このため「ハイレゾ音源に対応した車載用オーディオ機器に使える」(同社)としている。

ハイレゾ音源に対応した車載向けD級オーディオアンプIC
ハイレゾ音源に対応した車載向けD級オーディオアンプIC
(出所:STMicroelectronics)
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 上記のようなオーディオ特性を実現できた理由は2つある。1つは、SN比が121dBと高く、ダイナミックレンズが120dBと広い24ビットD-A変換回路を集積したこと。もう1つは、出力信号のフィードバック回路の工夫で、オーディオ出力信号の平坦(フラット)な周波数帯域を80kHzに広げたことだ。具体的には、低域通過型のLCフィルターの後段から出力信号をフィードバックする回路構成を採用した。こうすることで、「インダクター(L)とコンデンサー(C)の品質(温度特性など)にかかわらず、高い線形性と低い全高調波歪み率(THD)を実現可能になった」(同社)という。

 新製品の型番は「HFDA801A」。4つのD級アンプ回路を搭載しており、4つのオーディオ信号出力を備える。同社は「クアッドブリッジ構成」と呼ぶ。デジタルオーディオ信号入力は、I2S形式とTDM形式に対応。サンプリング周波数は44.1kHz、48kHz、96kHz、192kHzの中から選択できる。D級アンプ回路のPWM周波数は2MHzと高い。このため、外付けのインダクターやコンデンサーに小型品が使えるようになり、「車載用オーディオ機器の小型化と低コスト化を実現できる」(同社)という。自己診断機能や、デジタル・インピーダンス・メーター機能、リアルタイム負荷電流モニター機能などを搭載した。

新製品の内部ブロック図
新製品の内部ブロック図
(出所:STMicroelectronics)
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 パッケージは64端子LQFP。動作温度範囲は−40~+105℃。現在、サンプル出荷中である。量産は2021年後半に開始する予定。価格は明らかにしていない。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」については、現在認証作業中である。