LINEは2021年3月23日、利用者の個人情報が中国の業務委託先から閲覧可能になっていた件、および画像などトークのデータの一部を韓国で保管していた件について会見を開催した。同社は個人情報の漏洩はなかったとした上で、「今後はLINEのトークのデータを国内で管理する」(LINEの出沢剛社長)ことを表明した。
中国から日本ユーザーの個人情報へのアクセス遮断が完了したこと、LINEのコミュニケーションに関連する機能・サービスの中国での開発や運用業務も終了したことも明らかにした。「LINEはユーザーへの配慮が不足しており、重く受け止めている。信頼回復のためには明快な対応が必要と考えている」(出沢社長)と謝罪した。
保管場所を国内に移すデータは、トーク内およびタイムライン内の画像や動画、ファイルデータだ。韓国にあるこれらのデータのうち、トーク内のデータは2021年6月までに、タイムラインのデータは段階的に移転する。トークのテキストデータは以前から国内で管理しているとした。国内に移す狙いについて出沢社長は、「各国にデータがあってユーザーに失望感をもたらした。LINEへの期待値としてデータの国内化をしっかりやっていかないといけない」とコメントした。
LINE Payについては本人確認情報は国内で管理していたが、「LINE Payカード」の番号やカード配送先といった一部の利用者情報を韓国で管理していたことも明らかにした。これらは2021年9月までに国内へデータを移す。透明性確保に関しては、データに関するガバナンス体制や情報保護を強化するほか、プライバシーポリシーについて第三国のデータ移転について国名を明示することにした。これまでは国名を明示していなかった。