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 米Intel(インテル)が、深刻化する米中分断と半導体不足に対応するため、半導体製造の米国回帰を鮮明にした。2021年3月23日(米国時間)に開催したオンライン会見「Intel Unleashed: Engineering the Future」でCEOのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏が明らかにした(ニュースリリース)。

「IDM 2.0」戦略を説明するインテルのゲルシンガーCEO
「IDM 2.0」戦略を説明するインテルのゲルシンガーCEO
(画像:IntelのYouTube動画をキャプチャー)

 インテルが今回、ぶち上げたのは「IDM 2.0」という戦略である。大きく3つからなる。(1)内部の半導体製造能力の進化と拡充、(2)外部のファウンドリーの積極活用、(3)世界レベルのファウンドリーサービスの提供、である。ただし、どれもこれまでの施策のアップデートである。

 (1)については、米国アリゾナ州オコチロにある工場の拡張を発表した。200億米ドルを投資し、新しい2つの棟を建設する。21年内に計画と建設を開始する。また、EUVを使った7nmプロセスの開発も順調に進んでおり、開発コード名が「Meteor Lake」のクライアント向けSoCのCPU部の製造にまず適用されるという。このSoCは21年の第2四半期に製造を始めることを明らかにした。

(2)は、無線通信やグラフィックス、チップセットなどの自社ブランドICを、今後も台湾TSMCや台湾UMC、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)、米国GLOBALFOUNDRIESのファウンドリーサービスを活用して製造していくというもの。これにより製品製造における柔軟性や拡張性を確保できるとしている。

 (3)は、米国と欧州にある半導体工場で、ビジネス分野のみならず、政府系も含んだ顧客に対してインテル以外が設計した半導体を製造するサービスを提供する。「半導体製造の80%がアジアに集中しているが、このバランスを取るために米欧で十分な製造能力を用意し、半導体の主要な供給元になることを計画している」(ゲルシンガー氏)という。米中分断を見据えた計画とみられる。

アジアに片寄る半導体製造
アジアに片寄る半導体製造
(画像:IntelのYouTube動画をキャプチャー)

 ファウンドリー事業を強化するにあたり、新しくIntel Foundry Services (IFS)という独立したビジネスユニットをつくる。「他のファウンドリーと異なり、インテルの持つx86コアやGPUコア、AIプロセッシングコア、インターコネクトなどのIPコアや、最先端のプロセス技術、パッケージ技術を利用できる」(ゲルシンガー氏)ことをアピールポイントとする。なお、ArmやRISC-Vのような外部のIPコアも活用できる。

 米Amazon.comや米Google、米Microsoft、米Qualcomm、スウェーデンEricsson、ベルギーimecなど、有力な企業から、今回のファウンドリー事業強化に対する支援の表明を得ているという。

大手企業からの支援表明も得る
大手企業からの支援表明も得る
(画像:IntelのYouTube動画をキャプチャー)