図研プリサイト(横浜市)は、電子部品メーカー向けに顧客からのクレームへの対応を早めるデータベースシステム「Qualityforce」を開発、2021年4月1日に発売する。人工知能(AI)の応用によりクレーム情報を(1)症状、(2)原因、(3)対策の3要素で認識し、過去の類似案件を提示する。クレームを原因別、事業所別などで分析する機能も利用できるようにした。

 クレームの過半数は、部品の扱いや保管が不適当であるなど、顧客に起因するものだという。そのようなクレームには、顧客を待たせずに担当者が素早く回答できるように、システムが過去の類似案件を即座に提示する(図1)。一方で、過去にあまり例のないクレームと判明すれば、自社の開発部門や製造部門に早急に連絡して相談する必要がある、などの判断が容易になる。これに対して現在は、多くの企業で担当者が過去のクレームをどれくらい記憶しているかで初期段階での対応の巧拙が分かれている。新システムでは個人差を解消し、誰でも一定の対応が可能になることを目指す。

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図1 「Qualityforce」のクレーム分析機能
図1 「Qualityforce」のクレーム分析機能
クレーム内容の入力(上)により、システムが類似クレームを抽出して分類(中)。同じ分類のクレームをリストで表示する(下)。(出所;図研プリサイト)
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 クレーム内容を分析する業務では、AIを使って用語の揺らぎなどを補正し、より確度の高い分析を可能にする。顧客別や原因別、製品別、製造所別などで分析する機能も備える(図2)。過去のクレーム情報について、症状と対策が分かっていて原因の明示がない場合は、AIで原因を推定して補足する機能を備えた。

図2 分析条件のメニュー
図2 分析条件のメニュー
(出所:図研プリサイト)
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 同社が既に販売しているナレッジマネジメントシステム「Knowledge Explorer」で導入したAIを応用して開発した。「Knowledge ExplorerのAIでは技術文書を対象に類似度を評価しており、これをクレームに適用した」(図研プリサイト)。電子部品メーカーでは、クレーム案件を既にデータベース化しているケースが多い。そのため、導入時にデータベースを読み込んで、すぐにAIによる機能を利用できるようにするという。

 導入費用は、初年度の保守費用を含んで600万円(税別、サーバーなどのハードウエアの費用を含まない)。Webサーバーで稼働し、ユーザーはWebブラウザーから利用する。