リコージャパン(東京・港)は、生産現場からの報告業務と情報共有を効率化するソリューション「RICOH らくらくKAIZENサービス」(以下、らくらくKAIZENサービス)の提供を開始した。担当者がスマートフォンやタブレットで現場を撮影し、写真やテキストなどをクラウド上に保存・共有することで、安全衛生巡視やヒヤリハットの報告、改善提案といった業務の負荷を軽減できる。

* リコージャパンのニュースリリース( PDF)

 らくらくKAIZENサービスは、管理用のWebサイトとスマートデバイス向けのアプリケーションソフト、投稿内容を共有するためのユーザー用Webサイトの3つのシステムから成る(図1)。これらはクラウドで提供されるため、専用のサーバーを構築する手間がかからず、導入しやすい。

図1:「らくらくKAIZENサービス」の概要(出所:リコージャパン)
図1:「らくらくKAIZENサービス」の概要(出所:リコージャパン)
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 このうち管理サイトでは、業務内容に合わせて文書テンプレートなどの設定が可能。「安全衛生巡視」「ヒヤリハット」「改善提案」「工程内検査(品質記録)」「出荷検査」のサンプルを用意しており、管理者はこれらを参考に短時間でテンプレートを作成できる。

 現場の担当者は、アプリ上で項目を選択する他、現場の状況を伝える写真やテキストを投稿する。音声によるテキスト入力も可能で、画像データとテキストを組み合わせて簡単に報告書を作れる。報告書は、クラウド上で共有する他、CSV形式で出力してBIツールで分析するなど、さまざまな管理ツールと連携させられる。

 例えば、安全衛生巡視の報告業務で利用できる(図2)。担当者が巡視中に改善すべき箇所を見つけたら、スマートフォンなどで撮影し、是正依頼をクラウド上に登録する。是正依頼が登録されると、システムから対策者に電子メールを送信。受信した対策者は、クラウドで是正依頼の内容を確認して対策を検討する。その後、現場で改善対策を実施し、結果をクラウドに登録。現場管理者は、是正依頼の内容と改善対策の進捗状況をクラウド上のリストで確認できる。

図2:安全衛生巡視業務での活用例(出所:リコージャパン)
図2:安全衛生巡視業務での活用例(出所:リコージャパン)
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 複合機などを製造するリコーインダストリー(神奈川県厚木市)の東北事業所(宮城県・柴田町)でも、安全巡視の報告業務にらくらくKAIZENサービスを導入した。改善箇所を発見した場合、従来は現場で用紙に記入し、デジタルカメラで撮影。その画像をオフィスでパソコンに取り込み、用紙への記入内容も転記するという手間が発生し、報告業務に約180分を要していた。それに対してサービス導入後は、所要時間を約10分に短縮できた。さらに、対策の実施から効果の確認までの時間も、1週間に縮められたとしている。

 同サービスは事業所単位で利用できる。「らくらくKAIZENサービス スタンダード利用料」は、1ID当たりの月額が500円(税別、契約単位は5ID)、年額が6000円(同)。「同基本料金」は、月額が5000円から、年額が6万円から。月額・年額ともに、契約時に「同スタートパック」の5000円がかかる。

 らくらくKAIZENサービスのシステムや文書テンプレートのサンプルは、リコーグループの生産現場での実践で得たノウハウを元に開発されたもの。今後は各システムの機能とテンプレートを拡充し、製造現場以外の業種・業務への展開を目指す。

 リコーグループの事業再編により、2020年秋、販売統括会社であるリコージャパンにリコーの生産現場で改善活動を担ってきた設計・生産などの技術者が加わった。これによって同社は、顧客との面談を通じた課題の抽出や、社内での実践に基づいたソリューションの開発を強化している。らくらくKAIZENサービスを皮切りに、同グループでの実践で得られた知見・ノウハウを生かして開発したサービスを順次、市場に投入し、生産現場におけるプロセスのデジタル化と業務の効率化を後押しする計画だ。