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 特殊化学品メーカーであるドイツLanxess(ランクセス)のポリアミド6(PA6)樹脂が、自動車の変速機向けオイルパンに採用された。変速機メーカーのドイツIBS Filtran(IBSフィルトラン)が、ランクセスのPA6樹脂を用いたオイルパンを作り、同オイルパンを搭載した自動変速機(AT)の国内外の自動車メーカーへの出荷を始めた。2021年4月5日に、ランクセスの日本法人が発表した。

 変速機向けの樹脂製オイルパンにはこれまで、PA66樹脂が多用されてきた。ただ2019年ごろから、PA66樹脂は供給不足が続いている。主原料である「アジポニトリル(ADN)」が不足しているためである。供給不足によってPA66樹脂の価格が高騰したり、必要な量が調達できなかったりする問題があった。こうした事情からランクセスは同樹脂の代替材料として、原料の調達に不安がないPA6樹脂を選んだ。

 ランクセスの車両オイル循環経路用の樹脂部品エキスパート(Expert in plastic components in vehicle oil circuits)であるChristof Boden(クリストフ・ボデン)氏は、PA6樹脂を選んだ理由として、(1)オイルパンとしての要求性能(耐熱性、耐油性、表面品質など)を満たしていること、(2)同じ性能のPA66樹脂より安価であること──の2点を挙げた()。

PA6樹脂製のオイルパン
図 PA6樹脂製の変速機向けオイルパン
(出所:ランクセス)
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 一方、IBS フィルトランは、35%(質量比)のガラス短繊維で強化したランクセスのPA6樹脂について、その耐油性と耐熱性を調べた。様々な変速機オイルを用いた高温環境下(150度)における耐久性試験で、PA66樹脂と同等の性能を確認した。

 なお、PA6樹脂についてランクセスは、今回の変速機向けオイルパンの他に、トラック用オイルパンやシリンダーヘッドカバーなどでも、PA66樹脂の代替材料として使えるとみている。