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 公正取引委員会は2021年4月14日、クラウドサービスに関する実態調査を始めると発表した。一部の提供事業者による寡占の懸念が出ているためで、海外企業を含む提供事業者や取引先企業、利用企業などを対象にアンケートや聞き取り調査を実施する予定だ。

 4月14日に開いた事務総長会見で調査を表明した。対象のサービスは個人向けと法人向けを限定しないが、結果として法人向けが中心になる見通しだ。対象サービスは、システムの稼働環境を提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)から、アプリケーションを提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)まで、まずは対象を限定せず幅広く調査対象とする。

 国内のクラウドサービス市場はIaaSからSaaSまでほぼ米国企業が席巻する。IaaSやPaaSでは米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米マイクロソフト(Microsoft)、米セールスフォース(Salesforce)などが、SaaSでは個人利用を含めてもマイクロソフトや米グーグル(Google)、米アップル(Apple)など、いずれの分野でも米国企業による寡占が強まっている。公取委は調査を通じて取引先や利用企業との間の取引実態を把握し、競争政策上の論点を整理する。

 公取委は経済産業省や総務省などと連携し、2018年ごろからデジタル市場を寡占する巨大IT企業への規制や競争政策を打ち出してきた。クラウドサービスで具体的な競争政策の立案が始まれば、ネット通販やスマートフォン向けアプリを扱ったEC(電子商取引)市場、デジタル広告市場に続く、デジタル分野で3番目の対象市場となる。

■変更履歴
記事公開当初、発表日に2021年4月15日とありましたが、正しくは2021年4月14日でした。おわびして訂正します。本文は修正済みです。[2021/04/15 17:30]