PR

 銀行口座を介さず電子マネーなどで給与の支払いや受け取りができる「給与のデジタル払い」の解禁に向け、厚生労働省は2021年4月19日、厚労相の諮問機関である労働政策審議会の分科会に制度設計案の骨子を示した。

 給与のデジタル払いは、スマートフォン向けの決済サービスなどを提供している「資金移動業者」の口座に、企業が給与を振り込めるようにするもの。厚労省の案では、資金移動業者に対して債務保証や損失補償など5つの要件を設ける。

 具体的には、(1)経営破綻などで債務履行が困難となった場合の速やかな債務保証(2)不正取引の被害に対する損失補償(3)少なくとも毎月1回、ATMなどから手数料なく1円単位で換金できる仕組み(4)業務の実施状況や財務状況を適時報告できる体制(5)賃金の支払業務を適正かつ確実に遂行できる技術的能力と社会的信用――を求める。厚労相はこれらの要件を全て満たした業者を指定し、給与のデジタル払いサービスを扱えるようにする。要件を満たさなくなった業者に対しては指定を取り消す。

 各要件を満たすための具体的なスキームは今後詰める。例えば(1)については資金移動業者が前もって保証機関などと契約し、破綻時も保証機関を通じて十分な額が労働者へ早期に支払われる、といった仕組みを想定している。