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 スウェーデンEricsson(エリクソン)は2021年4月12日、フランクフルトを含むドイツの主要都市にて、欧州最大級の商用5G SA(Standalone)ネットワークの運用を開始したと発表した。英Vodafone、米Qualcomm、中国OPPOとの業務提携で実現した。同日、全ての3.5GHz帯移動通信基地局の5Gへの切り替えと、独立した5G基幹ネットワークへの接続が行われた。フランクフルトにあるデータセンターの通信網も、今後増大するニーズに備えて5Gに切り替えられたという。

出所:Ericsson
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 5G SAネットワークは4G環境に依存しない分、5G NSA(non-standalone)ネットワークより低遅延で動作する。今回のVodafoneの5G SAネットワークでは、5GとLTEを同時使用する必要がなくなったことで、端末のエネルギー消費量を約20%削減する効果もあるという。また、ネットワークスライシング機能もサポートしており、1つのネットワークでさまざまなユースケースへの割り当ても可能になる。

 EricssonとVodafoneは、この利点を生かして、今後この環境を、一般消費者や企業のみならず、行政機関やIndustry 4.0を追求する産業界など、低遅延、高速大容量の大規模通信が必要な分野に提供していきたいとしている。

 Ericssonはまた、同日のニュースリリースにて、専用5Gネットワークによる自動車業界への支援活動についても紹介している。

 スペインに本社を持つ認証サービス会社Applus+ IDIADAは、世界各地の自動車メーカーと連携して自動車業界向け技術の開発、検証を行っている。今回は、Ericssonとスペインの通信事業者Orange Spainが連携して、自動運転やコネクテッドカーなどの概念実証実験や開発技術認証を支援する専用5GネットワークをApplus+ IDIADAに提供。無人運転、自動運転サービス、車両性能、テレマティクス、インフォテインメントなどの技術開発に役立てられる。

出所:Ericsson
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 Ericssonはこのネットワーク構築に向けて、「Ericsson Router 6000」「Enterprise Core」などを含むIP接続ソリューションなどを提供するほか、これらネットワークのサポートとメンテナンスも行う。2021年6月より本格稼働開始する予定だという。

 Ericssonの同日のニュースリリースでは、産業分野における専用ネットワーク構築を支援する「Ericsson Industry Connect」を使った産業デジタル化推進活動についても報告している。

 同社は、2025年までに、約50億台の機器類が移動通信ネットワークでつながると予測。しかし、Wi-Fiや公共のネットワークでは、十分な信頼性やセキュリティー確保が難しいとして、産業界のデジタル化に向けては、移動通信ネットワークを介したプライベートネットワークが不可欠になるとしている。

出所:Ericsson
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 Ericsson Industry Connectを使った活動としては、アイルランドで、同国の製造業関連調査会社Irish Manufacturing Research(IMR)とVodafone Irelandが、2021年3月18日に、同国初とする5G SAプライベートネットワークを稼働開始。VodafoneがIMRに、Ericsson Industry Connectを使った5G SAエッジコアと無線プライベートネットワークを提供し、アイルランドのハイテク産業における5G活用とスマートマニュファクチャリングに向けた調査を支援している。

出所:Ericsson
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 北欧では、通信事業者のTelenor Swedenが2020年9月、スウェーデンに本拠地を置く産業機械企業Atlas Copcoと商用5G契約を締結。ストックホルムのAtlas Copco拠点にて、3.7GHz帯の専用プライベートネットワークを稼働開始している。

 台湾の通信事業者Far EasTone(FET)も、Ericsson Industry Connectを使った産業向け商用5Gサービスを2021年に開始すると表明している。