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 ANAホールディングス(ANAHD)傘下のPeach Aviation(ピーチ)と日本航空(JAL)傘下のZIPAIR Tokyo(ジップエア)など複数の格安航空会社(LCC)で2021年4月21日朝(日本時間)から発生している予約システムの障害について、予約システムを提供する米ラディックスは4月22日(現地時間)、マルウエアへの感染が原因であると発表した。予約システムは航空券の販売を担い、航空会社の心臓部ともいえる基幹系システムであるだけに、マルウエア感染で丸2日以上正常に使えなくなるという事態はピーチやジップエアに大きな打撃となっている。

ラディックスの声明文。Radixx Resのシステム障害の原因はマルウエア感染であると明らかにした
ラディックスの声明文。Radixx Resのシステム障害の原因はマルウエア感染であると明らかにした
(出所:ラディックス)
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 システム障害はラディックスが提供する航空会社向けのクラウドサービス「Radixx」のうち、予約・発券などの処理を担う「Radixx Res」で発生。ピーチとジップエアなど、LCCを中心に世界各地の約20の航空会社で航空券の予約・確認・変更などができなくなっている。ピーチでは4月21日の午前8時45分(日本時間)ごろに障害が発生。ジップエアも同日朝(同)からRadixx Resで予約などの手続きがしづらくなり、同日昼すぎ(同)から完全に停止したとしている。

 これについてラディックスは、4月22日(現地時間)に声明文を発表。この中で「Radixx Resのアプリケーションサーバーに影響を及ぼす異常な動作を4月20日(現地時間)に確認した。調査の結果、Radixxのシステム上のマルウエアがこの異常な動作を引き起こしたことが判明した」と明らかにした。

 声明文では今後の対応について「ラディックスはできるだけ早く問題を特定して封じ込め、サービスを復旧させることに最優先で取り組んできた」とした。復旧の見通しについては「当社は新たなRadixxのアプリケーションサーバーの構築に取り組んでいる。顧客企業に対しては、4月22日の遅く(現地時間)から数日間かけて順次サービスを復旧させていく」としている。4月23日午前9時時点では、ピーチとジップエアの予約システムは復旧していない。

 ピーチとジップエアでは、予約の変更やキャンセルを希望する顧客に対し、それぞれWebサイトで告知を掲出。現在はコールセンターへ問い合わせても対応できないとし、復旧後に問い合わせるよう案内している。またジップエアは「ソウル線の払い戻しに関しては、搭乗便出発後の連絡でも出発前にキャンセルの申し出があったものとして扱う」としている。

Peach Aviation(ピーチ)が掲出したシステム障害の告知
Peach Aviation(ピーチ)が掲出したシステム障害の告知
(出所:Peach Aviation)
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ZIPAIR Tokyo(ジップエア)が掲出したシステム障害の告知
ZIPAIR Tokyo(ジップエア)が掲出したシステム障害の告知
(出所:ZIPAIR Tokyo)
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 2社はいずれも予約・決済済みの航空券情報にシステム障害の影響はなく、また空港でのチェックインを担うクラウドサービスはRadixx Resとは別になっている。このため、2社の航空便を予約済みの顧客は通常通り搭乗でき、運航にも影響は出ていない。