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 政府のデジタル市場競争会議は2021年4月27日、「デジタル広告市場の競争評価」に関する最終報告を公表した。現状のネット広告市場について、事業者間の競争や透明性、利用者のプライバシー保護やデータの囲い込みなど「デジタル市場を巡る様々な課題が凝縮」されていると指摘。同年2月に施行した巨大IT企業を規制する法律にネット広告を追加し、取引内容を第三者が計測できるようにするなどネット広告事業者へのルール整備を進める。

 報告書はネット広告について「どんな課題やリスクがあるか、誰もが分かるようなものにしていくことが重要」と指摘。公平性の確保、透明性の向上、選択の可能性、イノベーションによる課題解決などを基本方針に掲げた。

 その上で2021年2月1日に施行された「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(デジタルプラットフォーム取引透明化法)」にネット広告を追加し、ルール整備や独占禁止法など関連法を厳格に運用すると明記した。同法は米アマゾン・ドット・コムや米アップル、米グーグル、楽天、ヤフーの巨大IT企業を規制するための法律だ。

 ネット広告事業者に対して、報告書は具体的な規制強化策をまとめた。クリック数の水増しなどで広告収入を不正に取得する「アドフラウド」対策として、広告主が取得できる情報を充実させたり、容易に取得できたりする方策の整備を求める。

 政府によるモニタリングも可能にする。広告効果を客観的に測れるようにするため、第三者が測定ツールをネット広告システムに接続するためのアクセスポイントや接続条件、接続できない場合の理由の開示も求める。

 デジタル市場競争会議は2019年に第1回会合を開き、広告主企業や広告代理店、仲介事業者、媒体社などネット広告事業者、消費者へのアンケートを実施。問題となる行為や法規制のあり方を議論してきた。

デジタル市場競争会議がまとめたネット広告市場の特性と課題
デジタル市場競争会議がまとめたネット広告市場の特性と課題
(出所:内閣官房)
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