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 ANAホールディングス(ANAHD)傘下のPeach Aviation(ピーチ)と日本航空(JAL)傘下のZIPAIR Tokyo(ジップエア)など複数の格安航空会社(LCC)で2021年4月21日朝(日本時間)から発生している予約システムの障害について、ピーチは同年4月27日の午後0時に復旧したと発表した。ジップエアは「早ければ4月28日中に復旧できる見通し」(ジップエア広報)としている。

 航空会社の売り上げの源泉である旅客系システムの心臓部が、クラウドサービスのセキュリティー問題で長期間ダウンするという異例のシステム障害は、発生から6日強でようやく解消へ向かった。

システム障害の復旧を知らせるピーチのトップページ
システム障害の復旧を知らせるピーチのトップページ
(出所:Peach Aviation)
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ピーチが掲出した、システム障害復旧の告知文
ピーチが掲出した、システム障害復旧の告知文
(出所:Peach Aviation)
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 システム障害は、2社が使用する米ラディックスの航空会社向けクラウド旅客サービスシステム(PSS)「Radixx」のうち、予約・発券などの処理を担う中核コンポーネントの「Radixx Res」で発生した。Radixx Resのサーバーが4月20日(現地時間)、マルウエアに感染し動作を停止。ピーチは4月21日の午前8時45分(日本時間)ごろからWebサイトでの新規予約・変更・キャンセルができなくなるなど、LCCを中心に世界の約20の航空会社が影響を受けていた。ジップエアも同日朝(同)から予約などの手続きがしづらい状態となり、同日午後1時ごろには手続きができなくなっていた。その後ラディックスが代替サーバーを用意するなどして復旧作業を進めていた。

 ピーチ広報は日経クロステックの取材に対し、復旧は「仮復旧ではなく全面復旧で、処理できるトランザクション量などは障害発生前と同水準になっている」とする。マルウエアの影響についても「現時点で、顧客データの消失・流出などの痕跡は一切見つかっていない」(同)としている。ジップエアも日経クロステックの取材に対し「ラディックス側での対応が一部残っているほか、ダウンタイムが長かったため復旧前にテストが必要と判断し、社内で慎重にテストを実施している。それらの対応が済み次第予約などの機能を再開する予定で、早ければ4月28日中にも全面復旧できる見通し」(ジップエア広報)と明らかにしている。

 ただ、システム障害を引き起こしたマルウエアへの感染について、ラディックスやピーチ、ジップエアなどはマルウエアの種類や感染経路といった詳細を明らかにしていない。ピーチは復旧の告知文で「詳しい原因については調査中。今後、再発防止に向け、原因の究明に全力を尽くしていく」としている。