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 東レは2021年4月26日、1滴の血液で最大約100種類の物質に対するアレルギー検査ができるバイオチップを開発したと発表した。人工腎臓で培った透析技術などを応用しており、微量の血液でも高精度な測定ができる。今後はアレルギー患者から集めた検体を用いて大規模な検証を進め、体外診断用医薬品として2022年度中の製造販売承認申請を目指す。

血液1滴で最大約100種類のアレルゲンを同時に検査できるアレルギー検査用バイオチップ
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血液1滴で最大約100種類のアレルゲンを同時に検査できるアレルギー検査用バイオチップ
(出所:東レ)

 アレルギー検査では、アレルギー症状を引き起こす原因となるアレルゲンに特異的に結合するIgE抗体の血中量を測定するのが一般的だ。しかし血液には細胞やたんぱく質などの他の成分も含まれるため、微量の血液ではIgEを正確に測定するのは難しかった。特にアレルギー検査を受けることが多い子供にとって多量の採血は負担が大きく、微量な血液でのアレルギー検査が望まれていた。

 東レはこの問題を解決するために、血液透析患者用の人工腎臓の開発で培った「低ファウリング高分子材料技術」を応用。バイオチップ表面にIgEの検出を妨げる血液成分が付着しないようにすることで、20マイクロリットルの血液で高精度な検査を可能にした。この他に、微細な柱状構造を形成する技術などを応用して、1枚のバイオチップに最大で約100種類のアレルゲンを搭載できるようにした。

 バイオチップは体外診断用医薬品として、2022年度中の製造販売承認申請を目指す。2030年ごろには年間で数百億円規模の売り上げを見込む。東レは同様に微量の血液を用いたがん検査キットも開発中で、素材技術をヘルスケア領域に応用する動きを加速している。