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 移動通信関連の業界団体GSMA(GSM Association)は2021年4月20日、移動通信業界の3分の1以上が、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)が主導する国際キャンペーン「Race To Zero」の厳格な基準に従った2050年までの温暖化ガス排出量ゼロ(ネットゼロ)達成を約束したと発表した。同キャンペーンでは、業界の20%以上がこの取り組みに参加することが、その分野におけるゼロカーボン実現に向けた転換点になるとしており、2021年11月に英国で開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)までに、少なくとも10の産業分野での上記転換点到達を目標としている。移動通信業界は、この転換点を超えた初めての産業分野になる。

出所:GSMA
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 こうした動きを受けて、GSMAは同日、最新の年次報告書「Mobile Net Zero - State of the Industry on Climate Action 2021」を発表。移動通信業界が2050年までのゼロカーボンを実現するためにどのような取り組みを分析・紹介している。

 ・世界の全移動通信接続数の50%、全移動通信収益額の65%を扱う通信事業者が、ゼロカーボンに向けた科学的な取り組みを行っている。

出所:GSMA
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・世界の移動通信産業の全接続数の31%、全収入額の36%を担う企業が、今回の「Race To Zero」キャンペーンを通じて、ゼロカーボンを達成すると約束している。

・世界中の移動通信事業者が、UNFCCCが示す8つの分野におけるロードマップ「Climate Action Pathways」に従い、 ゼロカーボン社会実現に必要な関連行動強化を約束している。

・2020年までに、世界の全移動通信接続数の69%、全収益額の80%を提供する60の事業者が、英国に拠点を置く非営利団体CDP(Carbon Disclosure Project)に対し、気候変動の影響、リスク、関連するビジネスなどの情報を開示している。

・GSMAが英国に拠点を置く非営利環境企業Carbon Trustと共同で実施した調査によると、現在、移動通信産業が世界の炭素排出量に占める割合は約0.4%。他の産業ではその10倍、世界の炭素排出量の約4%を排出している。

・5Gネットワークはエネルギー効率を考慮した構成になっている。5G仕様では、データ転送のためのエネルギー消費量を従来から90%削減することが求められている。

 なお、GSMAでは2019年にClimate Action Taskforce(気候行動タスクフォース)を設置。現在、世界に50人のメンバーを擁している。2021年2月には、中東やアフリカにまたがって活動する多国籍企業MTNが、2030年までの二酸化炭素(CO2)排出量47%削減と、2040年のゼロカーボン目標を発表。同年3月には、欧州の13のGSMA メンバーがEuropean Green Digital Coalition創設の一環として、2040年までのゼロカーボン実現を宣言。同年4月には、トルコTurkcellが、2030年までにすべての電力を再生可能エネルギーに切り替えるとの公約を発表している。

 GSMAの年次報告書「Mobile Net Zero - State of the Industry on Climate Action 2021」は、下記リンクからダウンロード可能となっている。

出所:GSMA
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