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 ニコンは、金属3Dプリンター「Lasermeister」シリーズの新機種として、チタン(Ti)合金粉末による造形が可能な「同102A」を発売する(図1)。航空機のジェットエンジンやタービンブレードの他、自動車のマフラー、人工骨などで使われるTi合金に対応したことで、従来機種に比べてさまざまな用途に適用できる。日本では2021年5月に、欧米では同年11月に受注を開始する予定だ。

図1:「Lasermeister 102A」の外観
図1:「Lasermeister 102A」の外観
(出所:ニコン)
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* ニコンのニュースリリース:https://www.nikon.co.jp/news/2021/0426_lasermeister_01.htm

 同シリーズには、エントリーモデルの「同100A」と5軸機構を備えた「同101A」がある。いずれも出力200W、波長915nmの半導体レーザーを搭載しており、造形や肉盛りに加えて、金属表面へのマーキングや接合も可能。表面をわずかに溶かすことで、表面粗さも改善できる。装置が幅850×奥行き750×高さ1700mmと、既存の金属3Dプリンターより小型なのも利点とする。

 同100Aは造形材料としてステンレス鋼(SUS316L)の粉体のみを、同101AはSUS316Lとモリブデン系高速度工具鋼のSKH51、ニッケル基合金の粉体を使えたが、新機種ではユーザーの要望に応えてTi合金(Ti-6Al-4V)の粉体を追加。併せて生産性と品質の向上を図った。具体的には、金属の溶融状態を高速で観測し、造形動作を制御する機能「メルトプールフィードバック」を追加した(図2)。これにより最大造形速度は、同101A比で約2倍の1.5mL/hに向上している。

図2:「メルトプールフィードバック」機能の効果
図2:「メルトプールフィードバック」機能の効果
(出所:ニコン)
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 加えて、高精度加工時の公差等級を、同100Aと101AのC級からm級に改善。表面粗さ(Ra)については、同101Aで10μ~20μmだったところを10μm未満に抑えた。均一な凝固状態を保つことで造形時の欠陥も減らしたため、後工程の手間を軽減できる。

 造形品質を損なうことなく再利用粉体を使用できる。粉体供給の状況を高速で観察して制御する機能「パウダーサプライフィードバック」も搭載し、造形品質を向上させている。供給した材料のうち造形物になる割合(粉体利用効率)は、同101Aの3.7%から10.0%に改善した。

 新機種の外形寸法は幅850×奥行き750×高さ1750mmで、質量は330kg。最大加工寸法は、同101Aと同じく直径150×高さ150mmとする。