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 日産自動車は2021年5月5日、同社が保有するドイツDaimler(ダイムラー)の全株式を売却し、株式の持ち合い関係を解消すると発表した。株式売却によって得た資金は、クルマの電動化への投資など今後の競争力強化の原資として活用する。

 日産は現在、ダイムラーの発行済み株式の1.54%に相当する1644万8378株を保有している。この保有株を全て、1株当たり69.85ユーロ(1ユーロ=約131円換算で約9150円)で、21年6月末までに機関投資家に売却する。売却益は約11億4900万ユーロ(約1500億円)となる。

 21年3月には、日産と日仏3社連合を組むフランスRenault(ルノー)も、同社が保有するダイムラーの全株式を売却した。今回の日産の決断によって、日産・ルノーとダイムラーとの株式持ち合いの関係は解消される。ただ日産は、「保有するダイムラーの全株式を売却した後も、同社との業務提携は継続していく」と言う。

 日産とルノーの元会長であるカルロス・ゴーン氏が主導し、両社は2010年4月にダイムラーと資本・業務提携した。ルノーと日産がダイムラーにそれぞれ約1.5%を出資、ダイムラーはルノーと日産にそれぞれ3.1%を出資した。乗用車や小型商用車に搭載するパワートレーンの共用と共同開発などが業務提携の柱だった()。

2010年4月の提携会見の様子
図 2010年4月の提携会見の様子
(出所:日産自動車)
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 ただ、日産とルノーは現在、三菱自動車を加えた日仏3社連合を組み、同連合を今後の成長の柱に位置付けている。一方、ダイムラーとの業務提携については近年、目立った成果が得られておらず、同社と株式を持ち合うメリットは薄れていた。