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 独Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は、出力電力が30〜500Wの電源回路に向けたGaNモジュールを発売した(ニュースリリース)。ハイサイドとローサイドの2個のGaNトランジスタ(GaN HEMT)で構成したハーフブリッジ回路と、それらを駆動するSiゲート・ドライバー・チップなどを1パッケージに収めたSiP(System in Package)品である。同社は「CoolGaN IPS(Integrated Power Stage)」と呼ぶ。

出力電力が30〜500Wの電源回路に向けたGaNモジュール
出力電力が30〜500Wの電源回路に向けたGaNモジュール
(出所:Infineon Technologies)
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 特徴は、内蔵した2個のGaNトランジスタどちらもオン抵抗が140mΩ(標準値)と低いことである。耐圧は+600V。電源回路に適用した場合、電力損失を低減できるため、出力電力密度を35W/(インチ)3程度まで高められるとしている。具体的な応用先は、充電器やACアダプター、スイッチング電源、モーター駆動機器などである。

 GaNトランジスタとSiゲート・ドライバー・チップを1パッケージに収めたSiP品はすでに、米Texas Instruments*1や、英Dialog Semiconductor*2、伊仏合弁STMicroelectronics*3などが製品化している。今回、Infineonはオン抵抗が低いSiP品を市場投入することで、先行する競合他社を追いかける。

 新製品の型番は、「IGI60F1414A1L」である。これにPWM制御ICや受動部品などを外付けすれば電源回路を構成できる。PWM制御ICとのインターフェースはデジタルPWM信号。ハイサイドとローサイドのGaNトランジスタの制御に向けて、デジタルPWM信号入力端子を別々に設けた。デジタルPWM信号の入力部とSiゲート・ドライバー・チップの間は、コアレストランス(CT:Coreless Transformer)を使って電気的な絶縁(ガルバニック絶縁)を確保した。このため、「デジタル回路と電力変換回路のグラウンドを分離できるようになり、プリント基板設計が簡略化した」(同社)という。なお、「コアレストランスを使っているが、高速なスイッチング動作を実現できる。150V/nsと高速な電圧スロープでのスイッチングが可能である」(同社)としている。パッケージは、実装面積が8mm×8mmの28端子QFN。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。

新製品の内部ブロック図
新製品の内部ブロック図
(出所:Infineon Technologies)
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 今後同社は、GaNトランジスタとSiゲート・ドライバー・チップを1パッケージに収めたSiP品の品ぞろえを拡充する予定だ。オン抵抗やパッケージが異なる製品の市場投入を予定している。

今後製品化する予定のSiP品のオン抵抗とパッケージ
今後製品化する予定のSiP品のオン抵抗とパッケージ
(出所:Infineon Technologies)
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