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 広島大学とMeiji Seika ファルマ、マクニカの3者は2021年5月6日、デジタル技術を活用したうつ病予防法に関する共同研究契約を締結したと発表した。ストレスを自らコントロールする新たなうつ病予防法の確立を目指し、ウエアラブル端末を用いたストレス可視化技術を開発する。今後3年をめどに一定の成果を得る計画だ。

ウエアラブル端末を用いたストレス可視化技術の開発に産学で取り組む
ウエアラブル端末を用いたストレス可視化技術の開発に産学で取り組む
(出所:広島大学、Meiji Seika ファルマ、マクニカ)
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 今回の共同研究では広島大学の研究成果を基に、Meiji Seika ファルマとマクニカが事業化を目指す。広島大学脳・こころ・感性科学研究センター(BMKセンター)の山脇成人特任教授らの研究グループは、fMRI(機能的磁気共鳴画像診断装置)を用いた脳機能画像や臨床情報をAI(人工知能)で分析することで、うつ病の客観的な診断法の開発などに取り組んできた。Meiji Seika ファルマはうつ病などの中枢神経系領域で複数の治療薬を手掛けており、マクニカはIoT機器の取り扱いやソフトウエア開発に強みを持つ。

 3者で最初に取り組むのがストレスの可視化だ。脳波の情報と体温や脈拍といった生体情報の関係を分析し、ウエアラブル端末で取得できる生体情報からストレスの兆候を示す指標を見つける。山脇教授は「脳のデータをしっかり取得するにはfMRIなど大がかりな設備が必要で、恩恵を受けられる人が少なくなる。これをどこまでウエアラブル端末に落とし込めるかが課題になる」と語る。

 次の段階ではIoTやクラウド技術を活用して、脳・生体情報データのプラットフォームを構築する。個々人が自分のストレス状況をリアルタイムで把握できるようになれば、それをコントロールすることでうつ病の予防につながると期待される。「ウエアラブル端末でさまざまな生体情報を取得できるが、脳の情報と組み合わせたものはほとんどない」(山脇教授)といい、脳科学に基づく新たなうつ病予防法の開発と早期の社会実装を目指す。