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 NECは2021年5月12日、2021年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高に当たる売上収益は前期比3.3%減の2兆9940億円、調整後営業利益は同22.2%増の1782億円と減収増益だった。売上収益は新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況悪化の影響を受けたが、5G基地局の出荷が本格化したことに加え、GIGAスクール関連やリモートワーク向け商材といったニューノーマル需要で補った。

 調整後営業利益は2020中期経営計画を過達(達成)した。「新中期経営計画に向けて非常に良いスタートが切れた」とNECの森田隆之社長兼CEO(最高経営責任者)は自信を示した。「ネットワークサービス」と「グローバル」セグメントが改善。新型コロナ感染拡大の影響で不透明さが高まる中でも、収益面で不採算案件を想定通りに管理でき、足腰の強さが出てきたという。

 調整後営業利益における新型コロナ感染拡大に伴う市況悪化のマイナス影響は420億円だった。だが、費用節減やニューノーマル需要の獲得、資産売却で計620億円のプラス影響があり、増益を確保した。

 2022年3月期の売上収益は3兆円、調整後営業利益は1550億円を見込む。達成に向けた課題としてはグローバルセグメントを挙げた。「過去2年で大きく改善したが、まだまだ途上だ」(森田社長)。M&A(合併・買収)や構造改革などで1つの方向性は確立しつつあるが、さらなる強化が必要と捉えている。

 エンタープライズセグメントでは共通基盤の整備を急ぐ。米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米マイクロソフト(Microsoft)といったハイパースケーラーとの提携強化によるマルチクラウドの提供をはじめ、AI(人工知能)やセキュリティー、生体認証を含めた技術の共通基盤化を進める。これが収益改善の重要なポイントとなるという。

 ネットワークサービスセグメントの5Gについてはターゲット市場である欧州もしくは米国で、「2021年度中に海外での商用案件がある、という状態にしなければならない」(森田社長)とした。

 同社は長期的な成長に向け、2021年度に320億円の戦略的費用を投入する。Open RAN市場の形成といったグローバル体制の強化や、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成などに向けた先行投資を強化するという。