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 東芝は2021年5月14日、今後の経営方針などの説明会見を開き、18年に策定した構造改革計画「東芝Nextプラン」を一部修正すると発表した。21年度は風力発電など再生エネルギー事業や、量子暗号通信事業などに計210億円投入する。カーボンニュートラル関連技術など新規成長分野に先行投資し、10年単位で収益力を改善する狙いだ(図1)。

図1 会見に出席した東芝代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(撮影:日経クロステック)
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図1 会見に出席した東芝代表執行役社長CEO(最高経営責任者)の綱川智氏(撮影:日経クロステック)

 東芝Nextプランは、東芝前社長の車谷暢昭氏が18年に、経営難に陥っていた同社を立て直すために策定した。人員削減や不採算事業からの撤退などを含んだ5カ年計画で、社内外からの反発も強かった。21年1月には東証1部に復帰するに至ったものの、同氏が辞任する一因となった。

 21年4月に東芝代表執行役社長CEO(最高経営責任者)に就任したばかりの綱川智氏は会見で、「(株主などからの批判もあった)東芝Nextプランを一部修正し、カーボンニュートラル関連技術などに積極投資する。カーボンニュートラル関連技術は、脱炭素社会への機運の高まりを受けて急激に市場が拡大している」と意気込んだ(図2)。

図2 新規成長分野に210億円投資(出所:東芝)
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図2 新規成長分野に210億円投資(出所:東芝)

 会見では、株主やステークホルダーとの関係改善のために、新たに取締役会の意思決定を支援する機関として、戦略委員会を設置することも発表した。

 取締役会議長の永山治氏を委員長とし、執行部から独立した立場として社外取締役のみで構成する。「ステークホルダーとの対話をこれまで以上に重視し、信頼関係を再構築するためだ」と綱川氏は説明した。

 戦略委員会の主な活動は、執行部からの提案の検証だ。同社の事業ポートフォリオの見直しなど、事業戦略や財務戦略を「初期の段階から深く検討」(綱川氏)する。一方で、「戦略委員会はあくまで支援機関であり、決定権は持たない」と同氏は強調した(図3)。

図3 戦略委員会を設置し、株主などとの関係改善に注力(出所:東芝)
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図3 戦略委員会を設置し、株主などとの関係改善に注力(出所:東芝)