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 あいおいニッセイ同和損害保険の米子会社である米Aioi Nissay Dowa Insurance Services USA(AIS)は2021年5月18日(米国時間)、自動運転車のセンサーデータを使用した機械学習を米IonQ(イオンQ)製の量子コンピューターを使って検証したと明らかにした。イオントラップ方式であるIonQの利用事例が明らかになるのは珍しい。

 量子コンピューターを使った機械学習は「量子機械学習」と呼ばれる。AISは米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)の量子コンピューターサービス「Amazon Braket」経由でIonQのハードウエアを利用したことから、その詳細をAWSの公式ブログで公表している。AISは今回、レベル1/レベル2の自動運転車のセンサーデータ(テレマティクスによって収集したデータ)を基に、その車が安全か危険かを判定する二値分類の機械学習モデルを、IonQの量子コンピューターで開発した。

 機械学習モデルにはニューラルネットワークの量子コンピューター版である「量子ニューラルネットワーク」を採用。量子コンピューターの実機を使った訓練(トレーニング)が成功するたびに、量子ビットの数を増やすといった検証も行った。二値分類は従来型のコンピューターを使った線形回帰やニューラルネットワークなどの機械学習手法でも行える。また現在の「NISQ(ノイズがありスケールしない量子コンピューター)」は性能が十分ではないため、従来型コンピューターに比べて二値分類を高速化できるわけでもない。今回のAISによる検証は、今後の量子コンピューターの発展に備えてソフトウエア開発などの経験を積んだという点で意義がありそうだ。