VR(仮想現実)を活用したデジタル治療の開発などを手掛けるBiPSEE(東京・渋谷)は2021年5月21日、高知大学医学部に寄付講座「医療×VR」学を設立したと発表した。同社が開発中の治療用VRの臨床応用や、VR空間での臨床研究を推進するプラットフォーム構築、医療分野におけるVR活用のガイドライン策定などについて研究する。

 BiPSEE代表取締役の松村雅代氏が高知大学医学部「医療×VR」学の特任教授に就任した。BiPSEEはうつ病の中でも、物事を繰り返し考え続ける「反すう」の傾向が高い患者を対象とした治療用VRを開発している。現在は治療用VRの臨床研究を実施している段階で、今後、企業治験か医師主導治験を実施してから薬事承認の申請を目指す方針だ。「うつ病以外にも反すうが関与する不安障害など9疾患に適応拡大して開発していく」と松村氏は話す。

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 「医療×VR」学には、VRの制作ツールなどを提供するPsychic VR Lab(東京・新宿)も参加し、同社代表取締役の山口征浩氏が特任准教授に就任した。Psychic VR Labのノウハウを用いて国内外の研究者や医療機関とともに非対面で治療用VRの共同研究を実施できる仕組みを作る方針だ。高知県立大学、高知工科大学などの研究者らとも共同研究を進める。