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「BLTサンド」のように構成

 この電池の特徴は「ベーコンレタストマト(BLT)サンドイッチのように」(ハーバード大学)、負極や電解質層を多層化したことだ。

全固体電池をBLT(ベーコンレタストマト)サンドイッチのように構成
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全固体電池をBLT(ベーコンレタストマト)サンドイッチのように構成
Anodeは電池では「負極」、Cathodeは「正極」を指す(図:Lisa Burrows/Harvard SEAS)

 例えば、負極活物質は2層、具体的にはLi金属層とグラファイト(G)層から成る。固体電解質は(1)硫化物系材料「Li5.5PS4.5Cl1.5(LPSCI)」の層、(2)硫化物系材料「Li10GeP2S12(LGPS)」の層、(3)LPSCI((1)と同じ)の層、の3層から成る。

 正極活物質だけは1層で、現在のEV用Liイオン2次電池(LIB)の主流となっている3元系材料「LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2」(NMC811)を用いた。セル全体では、正極側から、NMC811-LPSCI/LGPS/LPSCI-G/Li という層構成になる。「パンがLi金属と正極材料。レタスがグラファイト、2枚のトマトが共にLPSCI、ベーコンがLGPSに相当する」(同大学)。

 固体電解質を3層構成にしたのは、Li金属負極の電池に付きまとう課題であるデンドライト(樹状突起)の形成を抑制するためだ。LPSCIは比較的安定な材料だが、それだけではデンドライトの形成を止められない。一方、LGPSはやや不安定な材料だが、デンドライトの形成を止めやすいという。

 論文によれば、3層ではなく、1層の電解質Xを用いた対称セル(例えば、Li/G-X-G/Li)では、Xを幾つか変えてみても充放電サイクルは短かった。一方、電解質層を3層にすると、充放電サイクルが大幅に伸びた。“ベーコン”は必ずしもLGPSでなくともよいようだ。