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 エイブリックは、車載カメラモジュールに向けた降圧型DC-DCコンバーターIC(スイッチングレギュレーターIC)を発売した ニュースリリース 。特徴は2つある。1つは、スペクトラム拡散クロック発振回路(SSCG:Spread Spectrum Clock Generator)を内蔵することで伝導ノイズと放射ノイズの両方を抑えたこと。「伝導ノイズは、当社従来品と比較すると比べる約1/3と低い」(同社)。もう1つの特徴は、外形寸法が2.0mm×3.0mm×0.5mmと小さい8端子HSNTパッケージに封止したこと。さらに、スイッチング周波数を2.2MHzと高い値に設定して小型の受動部品を使えるようにしたため、降圧型DC-DCコンバーター回路全体の実装面積は9.0mm×4.1mmに抑えられる。同社によると、「パッケージの外形寸法と、回路全体の実装面積はどちらも業界最小だ」という。

車載カメラに向けた低ノイズの降圧型DC-DCコンバーターIC
車載カメラに向けた低ノイズの降圧型DC-DCコンバーターIC
(出所:エイブリック)
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新製品の伝導ノイズ特性
新製品の伝導ノイズ特性
(出所:エイブリック)
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 具体的な応用先は、ADAS機器や自動運転システムなどである。「ADAS機器などに向けたカメラモジュールでは、従来のVGA(640画素×480画素)から100万画素や200万画素へと高解像度化しており、それに伴って必要な電流量が増えている。DC-DCコンバーターICは、出力電流が増えれば、ノイズが増加する傾向にある。このため、ノイズ対策に費やす設計工数やノイズ対策部品によるモジュール寸法の大型化が問題になっていた。今回の新製品を使えば、こうした問題を一挙に解決できる」(同社)。

 新製品の型番は「S-19914A/Bシリーズ」と「S-19915A/Bシリーズ」である。同期整流方式に対応する。スイッチング素子はハイサイドとローサイドのどちらも集積した。フィードバックループの制御方式は電流モード。「スロープ補償回路や位相補償回路の最適化で、負荷変動に対して高速な過渡応答特性を実現した」(同社)。

 S-19914 A/BシリーズとS-19915 A/Bシリーズの違いは軽負荷時の動作モードにある。S-19914-A/Bリーズは通常負荷時と軽負荷時どちらもPWMモード。S-19915 A/Bシリーズは通常負荷時はPWMモードだが、軽負荷時はPFMモードに自動的に切り替わる。「PFMモード時の出力リップル電圧は、独自の低リップル回路を採用して、抑えた。このためリップル対策として接続する外付けコンデンサーの静電容量は小さくて済む」(同社)。また、製品型番の末尾のAとBの違いは、短絡保護機能の制御方式にある。末尾がAの製品は、ヒカップ(Hiccup)制御方式、Bの製品はラッチ(Latch)制御方式を採用する。

新製品の出力リップル電圧特性
新製品の出力リップル電圧特性
(出所:エイブリック)
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 入力電圧は+4.0〜36.0V。出力電圧は+2.5〜12.0Vの範囲でユーザーが設定できる。最大出力電流は1A。動作温度範囲は−40〜+125℃。新製品の主な仕様は下表の通りである。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。新製品は、自動車業界の生産部品承認プロセス(PPAP:Production Part Approval Process)に対応する。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」については、現在取得作業を進めているところだ。

新製品の主な仕様
新製品の主な仕様
(出所:エイブリック)
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