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 平井卓也デジタル改革相は2021年6月1日の会見で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会で来日する海外選手と大会関係者向けの健康観察アプリに投じる予算を、当初の約73億2000万円から38億5000万円に圧縮したと発表した。ベンダーと金額を見直して5月31日に再契約を締結した。観客を海外から招かないことに伴い機能を大きく削減し、サポート業務を含む開発・運用費を5割近く下げた。

 機能を見直してアプリから除いたのは顔認証による会場での入退場やビザ(査証)申請に関わる機能、GPS(全地球測位システム)による位置情報の把握など。アプリ利用者に対する有人サポートセンターも大幅に縮小した。大会終了後にアプリをインバウンド(訪日外国人)の健康観察などに使う構想も取りやめて、運用の契約期間を2021年9月15日までに限定する。開発した機能はソースコードや情報基盤を再利用する形で、入国制限が緩和された後のインバウンド対応に活用していくという。

 アプリの名称は連携する情報基盤を含めて「統合型入国者健康情報等管理システム」(当初の仮称はオリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ)。企画当初の2020年末は大会関係者と観客を合わせて120万人程度が来日すると想定して仕様と費用を見積もった。しかし海外観客を招かず来日する大会関係者も絞り込んだことで、大会に伴う来日者数は10万人以下になる見通しとなった。

 国内での移動経路を把握するGPS機能はアプリに持たせるのでなく、選手らが自ら持つスマートフォンのGPSログ機能をオンにして代替させる。国際オリンピック委員会(IOC)など関係者が策定したプレーブックでは、感染が判明した時の疫学調査に使えるよう、選手や大会関係者は日本国内でスマホのGPS機能をオンにすることを求めている。プレーブックでは今回のオリパラ来日者向けアプリと接触確認アプリ「COCOA」の2つを使うことも明記しており、これらで感染防止対策を取る。