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 IT専門調査会社のIDC Japanは2021年6月4日、産業分野向け5G(第5世代移動通信システム)市場の動向を発表した。ローカル5Gを活用する意向を持つ企業が支援を受けたいベンダーを調べたところ、全般的にIT系ベンダーが支持を集めた。ユーザー企業は5Gの技術単体ではなく、アプリケーションと5G通信インフラを組み合わせたソリューションの提供を求めているとも分かった。

5G関連で支援を受けたいベンダー
5G関連で支援を受けたいベンダー
(出所:IDC Japan)
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 新型コロナ禍でAR(拡張現実)/VR(仮想現実)に注目が高まり、規制緩和なども相まって、2020年ごろから5Gの実証実験が多数取り組まれるようになった。5Gコアネットワークを使うスタンドアロン方式の5Gが主流となる見込みで、2022年ごろから商用導入が始まるという認識が共通化した。スタンドアロン方式では高速大容量、低遅延、多数同時接続といった5Gの特徴を生かせるため、提供できるサービスの幅も広がる。

 5G提供ベンダーはこれまで「まず5Gありき」で活用方法を検討していたが、2020年以降は「どういう課題を解決したいかが先行し、解決手段の1つとして5Gの活用を提案する流れに変化している」(IDC Japanの小野陽子コミュニケーションズリサーチマネージャー)。課題はユースケースが少ないことであり、多くのベンダーが共創プログラムを立ち上げて、ソリューションの開発やビジネスマッチングに取り組んでいる。

 IDC Japanは5G提供ベンダーに対し、ユーザー企業の「5G以外の」ニーズに合致したソリューションの提供が必要だと提言した。5G単体では各ベンダーはサービスを明確に差別化しにくいからだ。「5Gと親和性が高い、自社の得意分野のソリューションを増やすことが5Gビジネスで勝つポイントになる」(小野リサーチマネージャー)とした。