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 米Apple(アップル)は2021年6月8日(日本時間)、開発者会議「WWDC21」をオンラインで開催し、新しいOS「iOS 15」などについて説明した。iOS 15へのアップデートにより、「ヘルスケア」アプリのデータを家族と共有したり、電子カルテと連携したりできるようになる。また、心拍数や睡眠などのデータをトレンド分析する機能を追加する予定だ。

iOS 15へのアップデートで追加予定の機能
iOS 15へのアップデートで追加予定の機能
(出所:アップル)
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 利用者は「Apple Watch」や「iPhone」で計測・記録した心拍数や睡眠時間、月経周期、運動時間などヘルスケアアプリのデータを、家族や医師など自分が選んだ相手と共有できる。高齢の親の見守りや妊娠可能な時期の共有、リハビリ、診察などに生かす。アップルのヘルスケアアプリと連携している他のデバイスで計測した血糖値などのデータも共有できる見込み。共有するヘルスケアデータは暗号化され、アップルはアクセスできないという。

 WWDC21でアップルは、米Allscripts Healthcare Solutionsなど6社の電子カルテメーカーとの連携を発表した。米国の対応する医療機関は、利用者の心拍数や睡眠時間、運動時間などのデータを電子カルテに取り込んで閲覧できるようになる。

 この他にアップルは、新しく「歩行安定性」の指標を開発したことを発表した。iPhoneに搭載したモーションセンサーが歩行のバランスや安定性などを評価。歩行安定性として「OK」「低い」「とても低い」の3分類をアプリに表示し、利用者に転倒リスクを通知する。筋力とバランスを高める運動を実施できるコンテンツも用意した。歩行安定性の指標は、アップルが心臓血管領域の健康改善を目的として実施中の「Apple Heart and Movement Study」のデータを用いて作成した。Apple Heart and Movement Studyには10万人以上が参加している。

 iOS 15は2021年秋にiPhone 6s以降の機種で利用可能になる見込み。歩行安定性の指標はアップデート後にiPhone 8以降の機種で使えるようになる。