米Qualcomm(クアルコム)は2021年6月8日、商用ネットワークでの伝送距離確認試験にて、世界初とする10km超のミリ波5G通信に成功したと発表した。米ネブラスカ州グランドアイランドにおいて、米UScellular、フィンランドNokia(ノキア)の協力を得て実施した。
関連プレスリリース Nokia, Qualcomm and UScellular Hit Extended-Range 5G World Record Over mmWave今回の実験は、28GHz(n261)帯のUScellular商用ネットワーク上にて、NokiaのAirScaleミリ波対応無線装置、QualcommのSnapdragon X55 5Gモデム-RFシステム、QTM527 ミリ波アンテナモジュールを含む第1世代の5G FWA(Fixed Wireless Access、固定無線アクセス)プラットフォーム搭載の5G用CPE(Customer Premises Equipment、顧客構内設備)を利用して実施された。
複数の場所・異なる条件で測定した結果、世界最長とする10kmの距離での平均下り速度最大1Gビット/秒、平均上り速度最大57Mビット/秒を確認。その後、11km超の距離での下り速度750Mビット/秒、上り速度57Mビット/秒も確認できたとしている。
ミリ波5G対応のFWAを使うことで、これまで、インターネット接続が十分に提供されてこなかった地域への高速大容量ブロードバンドサービスを、コスト効率良く提供できるようになる。3社では、デジタル格差解消に向け、特に農村部の学校や病院などに向けた接続性改善が急務だとし、今後さらに、24GHz帯を使ったミリ波5Gモバイルブロードバンド提供に向けても連携を続けるとしている。