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 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2021年6月16日、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara、UCSB)との6Gテラヘルツ(THz)無線通信実験の様子をWebサイトで公開した。

関連ニュースリリース: Samsung Electronics and University of California Santa Barbara Demonstrate 6G Terahertz Wireless Communication Prototype

 今回の実験は、IEEE 国際通信会議2021(ICC 2021、2021年6月14~23日、オンラインで開催)にて発表されている。Samsung Research、Samsung Research America、およびUCSBの研究者が、次世代6G技術におけるテラヘルツ波の潜在力について、140GHz帯とデジタルビームフォーミング技術を使って紹介するものとなっている。

 テラヘルツ帯には、6Gの要件である数T(テラ)ビット/秒の超高速通信を可能にする、数十GHzの広帯域幅領域が数多く存在する。これにより、5Gの50倍のピーク時データ転送速度と、10分の1の遅延時間が実現可能になり、XR(extended reality、拡張現実)やリアルなモバイルホログラムなどの究極のマルチメディア体験が可能になるという。

 今回の実験用には、試作システムとして、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)ベースのデュアルチャネル対応140GHz帯向けRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)と、これを用いた16チャネルフェーズドアレイ送受信モジュール、2GHz の帯域幅に対応する高速適応ビームフォーミング機能搭載ベースバンドユニットを用意。大気中の減衰が大きいと言われるテラヘルツ波にて、ビームステアリング機能を使って、15メートル超の距離での6.2Gビット/秒のスループットを確認した。

デュアルチャネル対応140GHz帯向けRFIC(左)、16チャネルフェーズドアレイモジュール(中央)、128素子アンテナアレイ(右)
デュアルチャネル対応140GHz帯向けRFIC(左)、16チャネルフェーズドアレイモジュール(中央)、128素子アンテナアレイ(右)
出所:Samsung
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 SamsungとUCSBは、今回の実験の鍵となるテラヘルツ対応フェーズドアレイモジュールを共同開発。大規模アレイモジュールとして活用するためには、洗練されたパッケージング技術が必要となるが、Samsungが開発した精密なデジタルビームフォーミング校正アルゴリズムにより、高利得なビームフォーミングを実現可能にしたとしている。

今回の概念実証実験で使われた試作システム
今回の概念実証実験で使われた試作システム
出所:Samsung
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 140GHz帯向けRFICは、National Science Foundation(米国国立科学財団、NSF)の支援を受けて、2017年、UCSBの電気・コンピューター工学科教授Mark Rodwell氏を中心とするグループが開発している。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のMark Rodwell教授
カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のMark Rodwell教授
出所:Samsung
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  Samsungは2020年7月、同社の6G戦略の概要を解説するホワイトペーパー、「The Next Hyper-Connected Experience for All」を発表。Samsung Researchは、2019年5月にAdvanced Communications Research Centerも設立し、6G研究開発を進めている。