スウェーデンEricsson(エリクソン)は2021年6月16日、今後は5G契約者数が1日100万人の勢いで加速し、2021年末には5億8000万人を超えるとの調査を含む最新リポート「Ericsson Mobility Report June 2021」を発表した。2026年末までには5G契約者数が約35億人となり、世界の移動通信契約数の約40%を占めるとしている。
関連ニュースリリース: Ericsson Mobility Report: More than half a billion 5G subscriptions by the end of 2021 関連リポート: Ericsson Mobility Report June 20215Gへの移行速度は地域によって異なる。欧州は、中国や米国、韓国、日本やGCC(Gulf Cooperation Council、湾岸協力理事会:ペルシャ湾岸のアラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6カ国)に比べ、5G移行ペースは鈍くなる。
5G契約者数は、4Gより2年早く10億人に達する。その背景には、中国での5G環境早期立ち上げと、手頃な価格の5G端末の普及がある。現在、既に300種類以上の5Gスマートフォンが発表もしくは発売されている。新型コロナウイルス感染拡大後の経済回復の重要な要素として、コネクティビティーの果たす役割は大きく、商用5Gの高まりは今後も続くとみられている。
2026年には、北東アジア地域の5G契約者数が14億人と、世界最大のシェアを占めるようになる。北米やGCC諸国の市場では、5G普及率が最高となり、それぞれ移動通信契約者数の84%、73%を占めるようになる。
FWA(fixed wireless access、固定無線アクセス)を除く全世界のデータ通信量は、2020年末には、月49E(エクサ)バイトを超え、2026年にはその5倍に近い月237Eバイトにまで増大する(1Eは1Gの10億倍)。そのうち95%はスマートフォンによるものだが、1台当たり平均使用量は現在既に世界全体で月10Gバイトを超えており、2026年末までには月35Gバイトに達する。
FWAによるデータ通信量は2026年に現在の7倍となる月64Eバイトに達する。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によりデジタル化が進み、信頼性の高い高速モバイルブロードバンドの需要が一気に高まった。今では5Gサービスを提供する通信サービスプロバイダーの9割が4Gや5Gを使ったFWAサービスを用意している。
NB-IoTやCat-Mといった、大規模IoT接続技術も2021年には8割伸び、接続数は約3億3000万件に達する。2026年には、全てのセルラーIoT接続数の46%をこれらの技術が占めるようになる。
GCC諸国では、政府が主導する形で技術革新と5G導入によるデジタル化が進んでいる。2019年に、世界でいち早く商用5Gサービスを開始したこの地域では、2026年までに、5G契約者数は6200万となり、世界で2番目に5G化が進んだ地域となる。
リポートではそのほか、米T-Mobile(ティー・モバイル)のマルチバンド戦略や、無線WANを使った5Gビジネス、AIを使ったユーザー体験の改善、屋内5Gカバレッジ改善に関する情報も掲載している。