内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(以下IT室)は2021年6月22日、一部で報じられた内部会議の音声データを公開した。2021年4月7日にIT室で開かれた定例会議の音声で、週刊文春と朝日新聞がそれぞれ独自に入手したデータを基に公開した音声データの両方を包含しているという。

 IT室を所管する平井卓也デジタル改革相が公開を指示した。公開した理由の1つは、特定のベンチャー企業の名前を挙げて発注を指示したとする週刊文春の報道に反論するためである。IT室は会議システムの録画から当該部分の音声を切り出して公開した。音声を消すといった編集は一切加えていないとしている。

 音声データはIT室が書き起こしている。それによれば、平井大臣は音声データの開始から35秒あたりで「彼(編集部注:東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授)が抱えているそのベンチャーっていうか、ベンチャーでもないな」と発言。その後、「ベンチャーですね」(同席した職員)、「そこの、顔認証ははっきり言ってNECより全然良いわ」(平井大臣)と続いているとしている。IT室は、「ベンチャーですね」の発言部分が、週刊文春報道ではベンチャー企業のACES (東京・文京、エーシーズ)になっていると指摘する。

 音声データの後半では、東京オリンピック・パラリンピックで用いる「統合型入国者健康情報等管理システム(通称オリパラアプリ)」を巡って減額交渉にあったNECに言及し、職員に声を荒らげるようすも聞き取れる。これまで報じられていない部分も一部公開した。具体的には平井大臣が「だって、ゴミに捨てるようなもの、にはお金を払えないでしょう。絶対嫌だ、俺は」などと発言している部分だ。

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