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 日本ケミコンは2021年6月23日、ブリヂストンの連結子会社でカーボンブラックを生産する旭カーボン(新潟市)と、リチウム(Li)イオン2次電池(LIB)用導電性カーボン「NHカーボン」の量産技術の開発および製造で協業すると発表した。新しい導電性カーボンは、マクセルが世界初の製品化を目指す硫化物系固体電解質を使ったLIBへの採用が決まっている。

図1 電極の構造の模式図
図1 電極の構造の模式図
(a)一般的な導電性カーボンを使ったもの。(b)新しい導電性カーボンを比較したもの。導電性カーボンのネットワークのようにつながるため、導電性の低下を抑えられる。(出所:日本ケミコン)
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 新しい導電性カーボンは、活物質との混練工程や電極のプレス成形時に形状を変化させることで、活物質の表面にコーティングできるのが特徴だ(図1)。LIBや全固体LIB(全固体電池)の正負極に使うと、電極密度を高め、かつ電極抵抗を低減できる。加えて、充放電サイクル寿命が従来の2~3倍に向上するという。

 高密度で切れにくい“ネットワーク”のようにつながるため、新しい導電性カーボンは導電性の低下を抑えられる(図2)。活物質の表面を隙間なくまとわりつくように覆うため、活物質が電解液に溶解して電池容量が低下する現象も抑制できるという。

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 これに対し、従来の導電性カーボンは、活物質同士の隙間に漂うような形でつながっていた。そのため、充放電によって活物質が膨張や収縮を繰り返すと導電性カーボンのネットワークが切れて導電性が落ち、電池容量の低下を招くという課題があった。

 日本ケミコンは、東京農工大学とその学内ベンチャー企業であるケー・アンド・ダブル(東京都国立市)と共同で、キャパシター用電極材料の製造技術の研究を行ってきた。今回、同社はその技術を応用して新しい導電性カーボンを開発した。

 将来的には、カーボンブラック製造の技術や設備を持つ旭カーボンが製造を、日本ケミコンが販売を担当する予定である。旭カーボンは、マクセルへの供給に向けて生産体制を整えている最中だという。