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 ルネサス エレクトロニクスは、生産子会社のルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)N3棟で2021年3月21日に発生した火災からの復旧に関して、最新の状況を同年6月25日に発表した ニュースリリース 。それによると、同棟の出荷量は、同年7月第3週頃に火災前の水準に戻るとする。

N3棟の外観(左上)と生産再開直後の同棟内部
N3棟の外観(左上)と生産再開直後の同棟内部
(出所:ルネサス エレクトロニクス提供の6枚の画像を日経クロステックが1枚に合成)
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 N3棟は火災発生後、約1か月間生産が停止し、顧客やサプライチェーンの企業の協力の下、21年4月17日に生産を開始した*1。ルネサスは同年6月1日に同日時点の復旧状況として、6月中旬以降に火災前の生産能力に戻るとの見込みを発表している*2。今回、その見込み通りになったとの発表がなされた。

関連記事 *1 火災のルネサス工場、「奇跡的な支援」で2日早く生産再開 *2 ルネサスの那珂工場、火災前生産能力への復帰は6月中旬以降

 火災発生前の生産能力復帰に必要となる装置全ての立ち上げが完了し、6月24日夜に、火災発生前対比で100%の生産水準に復帰した。併せて、火災発生前対比で出荷水準が100%になるのは7月第3週頃との見込みも明らかした。

 なお、この100%の出荷水準は、N3棟全体の出荷量の数字で、製品によってばらつきがあるとする。同棟では、火災前生産量の66%が車載半導体であり、顧客が要求する品質基準が厳しい場合が多く、こうした製品の出荷量が元通りになるのには時間を要すると思われる。ルネサスは、焼損したメッキ装置7台について、他の工場で代替が利くとの理由で、早急に調達する装置リストから外している。このメッキ装置は、車載半導体の生産に関わっており、それが影響している可能性はある。なお、同社は、「生産能力・効率性アップのために、これらのメッキ装置の調達に引き続き取り組んでいる」とコメントしている。

21年4月19日に発表された焼損した装置の調達状況
21年4月19日に発表された焼損した装置の調達状況
右表の灰色の行のメッキ装置は、他の工場で代替が利くとの理由で、早期の調達はしないことになった。また、一番下のCMP装置は同日時点では調達日が不明とされていたが、同年5月27日に納入された。(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 今回、N3棟の代替生産が順調に進んでいることも発表した。代替生産は同棟の生産停止/生産量減少を補うためのもので、上述のN3棟自体の生産能力や出荷量の数字には反映されない。

■変更履歴
ルネサス エレクトロニクスから焼損したメッキ装置7台の調達に関して申し入れがあり、本文と図の説明文を変更しました。本文については最後から2段落目で「調達リストから外している」を「早急に調達する装置リストから外している」に変更し、同段落の最後に、同社のコメントを追加しました。また同段落下の表の説明文で「調達が中止になった」を「早期の調達はしないことになった」に変更しました。