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 出光興産とIHIは、アンモニア供給網の構築に向けた共同検討を始める。2021年6月25日に両社で発表した。出光の徳山事業所(山口県周南市)の貯蔵施設や石油化学装置などの既存設備を活用。アンモニアの輸入基地化や、ナフサ分解炉でのアンモニア混焼実証を検討する。近隣事業所へのアンモニア供給も視野に入れる。

アンモニア供給網のイメージと共同検討範囲
アンモニア供給網のイメージと共同検討範囲
(出所:出光興産、IHI)
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 政府が掲げる50年のカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)実現に向けたアンモニア需要の拡大を商機と捉える。出光常務執行役員で技術・CNX戦略を統括する中本肇氏は21年4月、日経クロステックの取材に応じ「(アンモニアや水素など)供給網の構築は莫大な投資が必要となる。単独でできる事業ではなく、企業間の連携で進めていくべきものだ」と語っていた。

 現状、製造時に排出する二酸化炭素(CO2)を回収・貯留した「ブルーアンモニア」や、再生可能エネルギーを利用した「グリーンアンモニア」の製造については、海外で調査や検討が始まった段階にある。輸入基地を軸とした商業規模での供給網の構築に向けては「中・長期的な視点での検討が必要」(出光)という。

 出光との共同検討を始めるIHIは、14年からアンモニア燃料に関する技術開発を推進。発電設備の燃料として、石炭や天然ガスとアンモニアを混焼する技術を持つ。2000kW級のガスタービンにおいて、液体アンモニアの70%混焼を「世界で初めて達成」(同社)し、今後は商用石炭火力発電所でのアンモニア混焼の実証試験を進める計画だ。

 出光とIHIは、これまでも徳山事業所の貯蔵設備などにおいて協業関係にあった。