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2つの接点で電流を分散

 もう1つの工夫は接点の数を1つから2つに変更したことだ。電流が2か所に分散するため、発熱量は半分になる。接点が2つのリレーは他社も手掛けるが、同社は特に2つの接点がしっかりと接触する構造にし、抵抗を減らしたという(図3)。

図3 接点を1カ所から2カ所に変更。電流を分散し、発熱を抑えられる。
図3 接点を1カ所から2カ所に変更。電流を分散し、発熱を抑えられる。
(出所:オムロン)

 リレーでの発熱の抑制は、電力の熱損失の低減だけでなく、パワコンの稼働率向上も期待できる。パワコンは内部の基板を守るため、一定の温度以上になると電流量を下げたり、稼働停止したりする。リレーの発熱を減らしてパワコンの温度上昇を抑えられれば、そうした対応が減るため発電効率が高まる。

発熱の2割はリレーが原因

 リレーは運動会におけるリレーで走者が次の人にバトンを渡すように、外部からの信号を次の機器に伝える役割を果たす制御部品。身近なところでは、テレビの電源のオン/オフの制御にも使われている。

 リレー内部は「コイル部」と「接点部」から成る。リレーが電気信号を受け取るとコイル部に電流が流れて磁化され、金属製の「く」の字型の部品が引き寄せられる。同部品に押されて接点部の部品同士が接すると、接点部から先の機器に電流が流れる仕組みだ(図4)。

図4 リレーの動作原理
図4 リレーの動作原理
左側がコイル部、右側が接点部。金属製の「く」の字型の部品がコイルに引き寄せられると、接点部の部品同士が接し、接点部から先の機器に電流が流れる。 (出所:オムロン)

 従来のパワコンには、内部の電子部品の抵抗などにより、発電した電力の一部が熱となって損失してしまうという課題があった。「発熱の原因の約2割はリレーによるもので、リレーの発熱を下げることが太陽光発電を効率化する上で重要だった」(同社担当者)という。

 新製品の価格は数千円。25年に2.5億円の売上高を目指す。海外工場で生産し、主に太陽光発電向けのパワコンメーカーに販売する。