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 旭化成は、同社が持つ高純度エチレンカーボネート(EC)と高純度ジメチルカーボネート(DMC)の製造技術について、海外大手化学メーカーに対してライセンスを供与する契約を結んだと発表した。高純度EC・DMCは、リチウムイオン2次電池(LIB)の電解液の主原料。同社の製造技術では、原料の約2分の1が二酸化炭素(CO2)であり、今回のライセンス供与によって年間約5万t(トン)のCO2を消費することになる。

* 旭化成のニュースリリース

 ライセンス契約の対象となるのは、高純度EC3.8万tと高純度DMC7万t()。原料の約半分がCO2になる。同社は契約先の海外化学メーカーに、当該国における非独占的製造権と全世界への非独占的販売権を供与する。

図:製造技術パッケージの概要
図:製造技術パッケージの概要
CO2を原料とするポリカーボネートの製造と、その中間体であるEC・DMCを高純度化するプロセス。点線の範囲がライセンス供与の対象となる。
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 旭化成によると、LIBの需要拡大が見込まれる一方で、LIBの主要構成要素にも環境に配慮した設計が求められているという。CO2を原料にポリカーボネート(PC)を造る技術を持つ同社は、PC製造の際の中間体であるECとDMCに着目。それらをLIB用電解液の原料として使用できるように、純度を高める製造技術の確立に取り組んできた。今回、その製造技術をライセンス供与可能な形にパッケージ化し、第1号のライセンス契約に至った。

 同社は2002年、台湾の旭美化成において、CO2を原料としたPCの製法を実用化した。現在までに、約90万t相当のPCの製造技術ライセンスを5カ国・地域の6社に供与。同社の製法を採用したプラントは、世界全体の年間生産能力である約600万tのうち約16%を占めている。同社は今後、高純度EC・DMCの製造技術パッケージについても、世界のメーカーへのライセンス供与を進める計画だ。