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 知的財産戦略本部(本部長・菅義偉首相)は2021年7月13日に会合を開き、「知的財産推進計画2021」を決定した。同計画には、権利者不明著作物やUGC(User Generated Content、ユーザー生成コンテンツ)を含む著作物の権利処理促進に向けて、簡素で一元的な権利処理を可能とする制度の導入を図る方針が盛り込まれた。

 コンテンツの利用に当たっては権利処理が必要となるが、そのコンテンツの権利者が自らの権利を著作権等管理事業者(集中管理団体)に預けていなかったり、そもそも権利者が不明だったりする場合は、作業をスムーズに進めることが困難になる。一方で、消費者や一般人が制作したコンテンツであるUGCが増えるなど、デジタル化およびネットワーク化の進展によりコンテンツ流通の量的・質的な変化が顕著になっている。

 こうした中で著作物の利用円滑化と権利者への適切な対価還元の両立を図るため、膨大かつ多種多様な著作物の権利処理に対応できる制度の策定に向けた準備を進める。文部科学大臣および文化庁長官の諮問機関である文化審議会において、権利者や利用者、事業者などから合意を得つつ、拡大集中許諾制度(特定の団体に集中管理の対象になっていない権利者の権利についても一定の許諾権限を認める制度)などを念頭に置いて検討を進める。2021年中に結論を得て、2022年度に制度化を予定する。

 知的財産戦略本部 本部長を務める菅首相は7月13日の会合で、「コンテンツのデジタル配信に関する著作権処理を円滑にする仕組みを新たにつくり、様々なコンテンツを迅速に国民に届けられるようにする」などと述べた。