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 欧州委員会は2021年7月14日、自動車の走行中に関する二酸化炭素(CO2)排出量規制をさらに強化する新しい法案を発表した。35年までに100%削減し、事実上、エンジン車の販売を禁止する。電気自動車(EV)の普及を推し進める狙いがある。自動車メーカーは電動化戦略の見直しを迫られる。

Volkswagenが出資するNorthvoltのスウェーデン電池工場(出所:Volkswagen)
Volkswagenが出資するNorthvoltのスウェーデン電池工場(出所:Volkswagen)
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 欧州連合(EU)全体で温暖化ガスの排出量を55%削減することを目的とした法案のうち、自動車分野の規制を見直したもの。今後数カ月の間にも欧州議会などで審議された後に、EU法として制定される見通し。

 35年までの通過点として、30年までに21年比で55%削減する。65%削減案は見送った。最近決まっていた21年比で37.5%削減する現行規制に対し、大幅に増やすことになる。

 これに伴いEVの販売比率が大きく高まりそうだ。英調査会社IHS Markit(IHSマークイット)は、現行規制では30年に欧州のEV販売比率が4割弱になると予測していた。新規制案で55%に引き上げられると、30年のEV販売比率は5割を超える水準まで高まりそうだ。

 自動車メーカーへの影響は大きい。欧州各社は最近EVの開発に大きく投資する計画をこぞって発表している。新規制を意識したものとみられる。

 例えばドイツVolkswagenグループは21年3月、合計240GWh級の生産能力を有する電池工場「ギガファクトリー」を6カ所建設すると発表。同年7月には工場の具体的な計画について一部を明かした。欧州Stellantis(ステランティス)は同月、25年までにEVに300億ユーロ(約3兆9000億円)を投資すると発表した。