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 米Gartner(ガートナー)は2021年7月12日、2021年第2四半期(2Q)の全世界PC出荷台数が7160万台と、前年同期比で4.6%増にとどまるとの速報を発表した。PCの需要は依然、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準を上回っているが、2021年第1四半期の前年同期比35.7%という記録的な伸びに比べ、大幅な減速となっている。

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 Gartnerは、この原因として、世界的な半導体不足による部品調達遅れを挙げている。企業向けモバイルPCの一部では、納品が120日も遅れている。これら部品の価格高騰が続けば、PC自体の価格にも影響し、今後6~12カ月間のPC需要が鈍化する可能性もあるとしている。

 なお、これらの数値には、Chromebookは含まれていない。2021年第2四半期のChromebookの出荷は好調で、2021年第2四半期のChromebookを含む全世界PC市場を見ると、前年同期比10%超となっている。

 表1は、2021年第2四半期のPCベンダー各社の出荷台数予測を示している。上位3社までの順位は前年と変わっていない。また、この表にChromebookやiPadは含まれていない。

表1 2021年第2四半期のPCベンダー各社の出荷台数予測 単位は千台
表1 2021年第2四半期のPCベンダー各社の出荷台数予測 単位は千台
(出所:米Gartner)
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 Lenovoは、今回は前年同期比3.6%とPC市場全体の成長率を下回っているが、5四半期連続で成長している。Gartnerでは、Lenovoが一貫して成長を続ける理由の一つは、内製を中心とするオペレーションにあり、外部調達に依存する他社より、部品不足による影響を受けにくいと指摘している。

 HPは、2021年第1四半期に出荷台数が大幅回復したが、今回は、前年同期比11.3%減少となった。企業向けノートPCの供給不足に加え、北米や欧州、中東、アフリカへの出荷台数が減少したことが影響している。

 Dellは3四半期連続で前年比増となっており、特にデスクトップPCは昨年から40%超の成長となった。一方でモバイルPC出荷台数の伸びは一桁台にとどまっており、部品不足により供給遅れが生じる状態となっている。

 これに続くApple、台湾Acer、ASUSの3社は、一般消費者向けPCの販売台数が増加し、市場を上回る成長を遂げた。Gartnerでは、一般消費者向けPCは、部品調達遅れの際にもシステム設計を柔軟に変更して対応できることから、企業向けPCに比べて半導体不足の影響を受けにくいと説明している。

 地域別では、米国PC市場にて、3四半期連続の2桁成長の後、今回は3.7%の減少となっている。この減少も、企業向けモバイルPCに大きな打撃を与えた部品不足によるもので、米国におけるモバイルPC出荷台数は、4四半期ぶりに減少し、前年同期比9.5%減となった。

 表2は、米国PCベンダーの2021年第2四半期出荷台数予測となる。HPが市場シェア28.4%でトップに立ち、Dellが27.7%と僅差で続いている。こちらにもChromebook やiPadは含まれていない。

表2 米国PCベンダーの2021年第2四半期出荷台数予測 単位は千台
表2 米国PCベンダーの2021年第2四半期出荷台数予測 単位は千台
(出所:米Gartner)
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 この1年間PC需要が非常に好調だった欧州や中東、アフリカでは、2021年第2四半期に、前年同期比1.9%減となり、移行期に入った。

 アジア太平洋地域では、一般消費者市場、ビジネス市場共に堅調で、前年比16.5%増となった。また、世界的なトレンドを反映し、この地域でもデスクトップPCがモバイルPCを上回る成長を遂げている。一方で、日本では2021年第2四半期に22.4%減となった。これは、過去1年間にわたり日本政府主導で進められてきたGIGAスクール構想第1弾が、2021年第1四半期で完了したことが影響したとみられる。

 Gartnerではこれらの暫定結果を基に、近く最終的な統計結果をまとめて、「Gartner’s PC Quarterly Statistics Worldwide by Region」として発表するとしている。