スズキは、2025年までに電気自動車(EV)と高出力ハイブリッド車(HEV)をインド市場に投入する(図1)。「(A~Cセグメントとなるのか、軽自動車サイズとなるのかといった)車格や価格は明かしていない」(同社)。「(EVは)消費者負担で実質100万円台を視野に開発する」との日本経済新聞の報道もある。
背景にあるのは、カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)に向けた世界的な潮流だ。インドも30年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げる。インドで高いシェアを持つスズキもその対応を見据える。インドに投入するEVとHEVは、日本や欧州などインド以外の市場への展開もにらむ。投入時期は、どの市場が先行するかは現時点では未公表だ。
スズキは、21年2月に同年4月~26年3月の中期経営計画を発表している。その中で明かしたものの1つが、電動化技術開発の強化だ。25年までに電動化技術を整え、30年までに中期経営計画期間に開発した電動化技術を製品に全面展開し、30年以降は電動化製品の量的拡大を図る(図2)。
同社では、軽自動車用/小型車用/商用車用のハイブリッドシステム、プラグインハイブリッド車(PHEV)、軽自動車のEV、小型車のEVなどの開発を進めている(図3)。独自開発のものとトヨタ自動車との共同開発のものがある。インド市場に投入するものが、いずれになるかは公表していない。