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 ネットアップ(東京・中央)は2021年7月20日、2022年4月期の事業戦略に関する説明会を開催した。この中で同社の近藤正孝常務執行役員CTOは、2020年10月1日に発生した東京証券取引所の株式売買システム「arrowhead」のシステム障害について、日経クロステック記者の質問に答える形で言及した。ネットアップ幹部が東証のシステム障害に関連して公の場でコメントするのは、障害発生後初めて。

 arrowheadのシステム障害は、米NetApp(ネットアップ)が製造し富士通にOEM(相手先ブランドによる供給)提供しているNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)「ETERNUS NR1000」シリーズのメモリーの故障が発端となった。東証はNASをActive-Activeの2台構成で冗長化していたが、フェイルオーバーが正常に機能せず、終日にわたる取引全面停止の一因となっていた。

 東証によるその後の調査で、ネットアップのストレージ用OS「ONTAP」のバージョンアップに伴いフェイルオーバー設定の仕様が変更され、それが富士通作成のマニュアルにおいて正しく反映されていなかったことが判明している。

 近藤CTOはシステム障害の遠因となったマニュアルの記載内容について「富士通と密に連携を取って情報を提供していたが、あのような事態になってしまった」とコメント。自社の対応に瑕疵(かし)はないとの認識であることを示唆した。

 そのうえで近藤CTOは、ネットアップがOEM供給するハードウエアのメモリー故障が大規模なシステム障害の発端となったことについては「これ以上コメントできない。富士通に聞いてほしい」としてコメントを拒否した。

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