PR

 ルネサス エレクトロニクスは、人工衛星の電源管理システム向けに、耐放射線プラスチックパッケージに封止した半導体製品を4つ発売した ニュースリリース 。GaN FETが1つ、デジタルアイソレーターICが2つ、降圧型DC-DCコンバーターICが1つである。いずれも中高度地球軌道(MEO)や静止軌道(GEO)といった、同社既存製品よりも高い高度の人工衛星で使える。

今回の新製品と応用先のイメージ
今回の新製品と応用先のイメージ
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社が、耐放射線プラスチックパッケージに封止した人工衛星向け半導体製品を初めて発売したのは2017年9月である*1。以来、現在までに13製品を発表している。例えば、19年4月には、低軌道の小型人工衛星(Smallsat)に向けて、放射線耐性を備えたPWM制御ICとGaN(窒化ガリウム)FETゲートドライバーICを発売した*2。今回の4製品を加えると、合計17製品になる。

関連記事 *1 Intersil、メガコンストレーション用途に向けた放射線耐性IC *2 低軌道の小型宇宙衛星に向けたPWM制御ICとGaNFETドライバーIC、ルネサスが発売

 加わった4製品は、ロー・サイド・ドライバーを内蔵した耐圧100VのGaN FET「ISL73033SLHM」、GMR(巨大磁気抵抗)絶縁技術を使ったデジタルアイソレーターIC「ISL71610SLHM」(最大データレート100Mビット/秒)と「ISL71710SLHM」(同150Mビット/秒)、POL(Point Of Load)向け降圧型DC-DCコンバーターIC「ISL71001SLHM/SEHM」である。

 いずれもセラミック製密閉型パッケージと同等の耐放射線性を確保しながら、プラスチックパッケージによって製品自体の低コスト化と、製品を搭載する基板面積の削減を可能にするという。これまで提供してきた地球低軌道の小型衛星用製品に加えて、今回、15年以上の長寿命が要求されるMEOやGEO上の人工衛星で使える製品を発売したことで、様々な衛星のサブシステムやペイロードに必要な耐放射線性能と最適なコストバランスを提供できるようになったとする。

 GaN FETのISL73033SLHMとデジタルアイソレーターICのISL71610SLHM 、降圧型DC-DCコンバーターICのISL71001SLHMは現在、量産中である。デジタルアイソレーターICのISL71710SLHMは21年9月に、降圧型DC-DCコンバーターICのISL71001SEHMは21年第4四半期に出荷開始の予定とする。

宇宙用品質規格QML-Vと同等のテスト実施

 ルネサスでは、プラスチックパッケージ封止の新製品が過酷な宇宙環境で動作しても品質を保つことを保証するために、宇宙用品質規格「QML-V」と同等レベルの生産テストを行い、全デバイスに放射線ロット保証テスト(RLAT)を実施している。この生産テストには、超音波顕微鏡(CSAM)、X線、温度サイクル、スタティックおよびダイナミックバーンイン、目視検査が含まれており、宇宙用プラスチック封止マイクロエレクトロニクスに関する規格「SAE AS6294/1」に準拠している。また、追加のスクリーニングとして、HAST(High Accelerated Stress Test)、寿命試験、耐湿性に関するアセンブリーおよびウエハーのロットごとのロット保証テストを実施する。

 新製品に対して、低線量率(LDR)では最大75krad(Si)の総電離量(TID)で、シングルイベント効果(SEE)では60MeV・cm2/mgまたは86MeV・cm2/mgの線形エネルギー付与(LET)で特性試験を行っている。降圧型DC-DCコンバーターのISL71001SEHMは、高線量率(HDR)の場合、TIDが最大100krad(Si)である。