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 韓国・現代自動車(Hyundai Motor)は2021年7月26日、米国カリフォルニア州に2023年第2四半期から、クラス8(15トン以上)の大型燃料電池トラック30台を納入すると発表した。このトラックは、現在同社が欧州などで展開している大型燃料電池トラック「XCIENT」をベースに開発するもの。米国仕様は、6×4構成の大型燃料電池トラックで、700barの水素貯蔵タンクを搭載する。最大総重量は37トン以上、最大航続距離が500マイル(約800km)になるという。

欧州に続き米国での普及を目指す「XCIENT Fuel Cell」
欧州に続き米国での普及を目指す「XCIENT Fuel Cell」
(写真:Hyundai Motor)
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 同社と米交通環境センター(CTE:Center for Transportation and the Environment)らによるコンソーシアムは、米国でクラス8の大型燃料電池トラックを展開するプロジェクト「NorCAL ZERO」を運営している。今回このプロジェクトは、カリフォルニア州大気資源局(CARB)とカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)から2200万ドル、アラメダ郡交通局とベイエリア大気質管理地区(BAAQMD)から700万ドルの追加助成金を獲得した。

 NorCAL ZEROプロジェクトに先駆けて、同社らはサウスコースト大気質管理地区(South Coast AQMD)から50万ドルの助成金を受けており、21年8月から南カリフォルニアで2台の大型燃料電池トラックを使った実証試験を開始する。この実証試験は米環境保護庁(EPA)から多額の資金提供を受けており、ディーゼルトラックからの代替によりサウスコーストのクリーンエア基準の達成を目指しているという。

 この実証試験では2台の大型燃料電池トラックが、南カリフォルニアの倉庫間の長距離貨物輸送を12カ月間担う。試験車両の2台は、この地域にあるFirst Element Fuel(FEF)社の3カ所の水素充填ステーションを利用する。

 米国での展開について公的機関からの助成金獲得には、同社の欧州での実績が大きく寄与したという。欧州では20~25年に1600台の燃料電池トラックを投入する計画だ。20年に46台をスイスに導入し、11カ月間で累計100万kmを走行した。これをディーゼルトラックと比較すると約630トンのCO2排出量を削減できたことになる。

 現代自動車は、これらの実証試験の結果を基に、北米でのゼロエミッション商用トラックの正式発売に取り組む計画だ。すでに宅配や貨物輸送などの物流業者と交渉しているという。将来的には燃料電池を使った様々な商用車ラインアップを導入し、米国のパートナーとともに水素バリューチェーンの構築を目指すとしている。