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 「全世界的な半導体の逼迫(ひっぱく)が、2021年後半や22年に向けて同じようなレベルで続くのか見通せない。(半導体不足を受けた)自動車メーカーの工場停止も2Q以降も顕在化している」。パナソニック取締役専務執行役員最高財務責任者(CFO)の梅田博和氏は、2021年7月29日に開催した決算会見でこのような見通しを示した。

決算会見で好調な業績について説明する、パナソニック取締役専務執行役員最高財務責任者(CFO)の梅田博和氏
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決算会見で好調な業績について説明する、パナソニック取締役専務執行役員最高財務責任者(CFO)の梅田博和氏
(出所:会見の様子をキャプチャー)

 パナソニックが同日発表した21年4月〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が赤字に転落した前年同期から一転して大きな回復を見せた。売上高は前年同期比28.8%増の1兆7924億円、営業利益が前年同期の38億円から大幅増益となる1044億円だった。

 前年同期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、車載機器や航空機向けシステムなどが苦戦し、最終損益は98億円の赤字に転落した。今期は米国などで経済が回復基調となった影響で、最終損益は765億円の黒字と一気に挽回した。

 期初に示した22年3月期の連結営業利益見通しである3300億円の進捗(しんちょく)も、第1四半期が終了した時点でその3分の1近くを達成した。にもかかわらず、通期の営業利益目標は期初のまま据え置いた。梅田氏は「社内で業績見通し上方修正の議論があったのは事実。しかし日替わりで新型コロナウイルスの状況も変わっている」と指摘。半導体不足の状況も見通せないことから、今期の上方修正は見送った。

21年度1Qと新型コロナウイルス拡大前の19年度1Qの業績の比較
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21年度1Qと新型コロナウイルス拡大前の19年度1Qの業績の比較
(出所:パナソニック)

 梅田氏は好調なスタートを切った業績について、「新型コロナウイルスが拡大する前に戻ったというよりも、違う戻り方をしている」と強調する。決算会見では、新型コロナウイルスが世界的に拡大する前の19年度第1四半期と、21年度第1四半期の業績を比較。例えばセグメント別の営業利益では、新型コロナウイルスの影響が残るコネクティッドソリューションズを除いて、19年度を上回る利益水準と収益性を実現していると説明する。梅田氏は「この2年間で進めてきた事業ポートフォリオ改革が、やっと数字として現れるようになってきた」と語る。