デンソーは2021年7月30日、22年3月期第1四半期(21年4~6月)の連結決算を発表した。第1四半期としては、売上高と営業利益で共に過去最高を記録。これに伴い、通期の業績予想を上方修正した(図1)。

図1 業績の概要
図1 業績の概要
第1四半期としては、売上高と営業利益は共に過去最高を記録した。(出所:デンソー)
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 22年3月期第1四半期の売上高は1兆3569億円で、営業利益は1072億円。通期予想は、売上高5兆5400億円で、年初に公表した値から800億円増やした。営業利益は同270億円増の4400億円を見込む。

 業績を上方修正した要因の1つとして、デンソーは体質改善を挙げる。同社経営役員の松井靖氏は会見で、「ソフトウエア設計の生産性向上を全社で取り組んでいる。膨らんでいくソフト開発費を効率的に抑制していることが大きい」と説明した(図2)。

図2 決算を発表するデンソー経営役員の松井靖氏
図2 決算を発表するデンソー経営役員の松井靖氏
(出所:会見の様子をキャプチャー)
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 具体的には、(1)ソフトの検査ツールの大幅導入、(2)ソフト生成の一部をAI(人工知能)に任せることによる自動化、(3)仕様書を固めて次の工程に渡すことによる手戻りの削減――などを実施している。さらに、ソフト開発で協力する企業を厳選し、その協力企業には出資を含めて関係強化を図っているという。

 松井氏は今後のリスク要因となる市場の“不透明感”に関して、半導体不足と新型コロナウイルス感染症の影響を挙げる。

 多くの企業が半導体不足の影響で工場の稼働を停止しているが、「デンソーは半導体不足によって生産を中止するという状況にはなっていない」(同氏)という。ただ、市場全体で半導体がひっ迫していることから、「他の部品メーカーの稼働停止の影響で自動車メーカーが生産調整すると、当社にも影響が出る」(同氏)。

 新型コロナに関しては、マレーシアやインドネシアなどの東南アジアで実施されているロックダウン(都市封鎖)の影響が大きい。松井氏は「突然のロックダウンで物流が寸断されるという点で不透明感がある」と語った。